インドの音楽ドキュメンタリー「あまねき旋律(しらべ)」の上映イベントが3月23日、射水市の文化施設「LETTER」(射水市戸破)で開催される。民謡DJユニット「俚謡(りよう)山脈」を迎え、トークとDJプレーも披露する。
富山初登場の「俚謡山脈」。ムード山さん、TAKUMI SAITOさんの2人組
樋口裕重子(ゆちこ)さんが企画した同イベント。樋口さんはイベント施設「フォルツァ総曲輪」(現在休館中)の元スタッフで、県内各地で映画上映などを手掛け、LETTERでは絵画教室「アトリエセーべー」を主宰する。
「あまねき旋律」は、インド東北部・ミャンマー国境付近に位置するナガランド州ペク県を舞台に、少数民族「チャケサン・ナガ」による民謡「リ」を捉えた音楽ドキュメンタリー。山間部の急な斜面に作られ機械が入りにくい棚田でグループごとに人力で農作業をしながら歌われる労作唄で、女性も男性も一緒になって掛け合い、季節、友愛、戦いや村の英雄など生活の全てを歌で表現している。
樋口さんは「鑑賞後には、前からあったインドという国のイメージがいい意味でなくなり、ナガランドへ行ってみたくなった。自分の足で歩き、見つけること。そのことを記録し残すこと。そしてそれを伝えることの重要さに心打たれた。今回招聘(しょうへい)する『俚謡山脈』が制作した『弓神楽』(広島県に伝わる日本最古の神楽)のレコードを聴いたときにも、同じような発見と驚きがあった」と話す。
「俚謡山脈」は、日本の民謡リサーチと収集をし、自主制作のミックスCDを発表。発掘音源のリリースにも力を入れているDJユニット。クラブや盆踊りなど全国各地のイベントでプレーし、ロンドンのインターネットラジオ「NTS LIVE」にも出演するなど、民謡の魅力を発信し続けている。
樋口さんが2017年に企画した「バンコクナイツ」上映イベントでは、作品の音楽監修を担当した、タイ音楽のリサーチと収集をしているDJユニット「Soi48」を招いた。東京・新宿で「Soi48」が開くイベントに「俚謡山脈」もレギュラー出演している。樋口さんは「実際に『Soi48』のイベントで『俚謡山脈』のDJを体験したとき、来ているお客さんも若い女性から外国人、いろんな人が自由に遊んでいてうれしくなった」と振り返る。
当日は、映画上映後に「俚謡山脈」がトークで生活に結び付いた民謡や労作唄の面白さについて紹介し、実際の労作唄や富山の民謡などを選曲していく。樋口さんは「音楽を体感し、楽しんでいっていただければ。年に6回の映画上映を目指して6月にもイベントを予定しているのでお楽しみに」と笑顔を見せる。
10時30分開場、11時上映開始。トークとDJは13時30分~。料金は、映画とDJイベント=3,300円、DJイベントのみ=2,000円(DJイベントは中学生以下無料)。富山市中心街のシアターカフェ「ほとり座」(富山市中央通り1)でも3月23日~29日に上映予定。