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巨人愛満ちる富山のそば店「東京亭」、巨人敗退も気力を落とさず営業

長嶋さんの巨大看板が目印の「東京亭 呉羽店」

長嶋さんの巨大看板が目印の「東京亭 呉羽店」

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 熱烈な巨人ファンで知られる富山のそば店「東京亭 呉羽店」(富山市呉羽町)店主の西田進さんが現在、プロ野球クライマックスシリーズの巨人敗退後も、気力を落とさず営業している。

「ミスター巨人」への一途な愛を貫く店主の西田さん

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 10月17日に行われたセ・リーグの2015年度クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第4戦は、ヤクルトが3対2で巨人に勝ち、ヤクルトのリーグ優勝が決まった。

 読売巨人軍創立者で、「プロ野球界の父」とも称される正力松太郎氏は富山県射水市出身。元巨人軍の王貞治選手の母が同県氷見市出身ということもあり、「巨人びいき」が多いことで知られる富山県。県内の飲食店ではファイナルステージ第4戦のこの日、巨人が1点を追う7回表に逆転のチャンスで登場した代打・阿部が併殺に終わると、客らが落胆の声を上げていた。

 創業46年の老舗そば店「東京亭 呉羽店」店主の西田さんは、「巨人は阿部も村田も打てずに終わってしまった。とにかく今期のヤクルトは強かった」と話す。元高校球児で「ミスター巨人」長嶋茂雄さんの熱狂的ファンで知られる西田さんは、長嶋さんが立教大学の学生だった頃からのファンで、長嶋さん本人とも交流がある。半世紀以上にわたって巨人軍を応援し続けてきた、自他共に認める筋金入りの巨人ファンだ。

 「長嶋さんは永久に不滅です」と書かれた長嶋さんの巨大看板が目印の同店には、巨人軍に関する記事の切り抜きやグッズ、長嶋さんのサイン色紙、王貞治さんや松井秀喜さんなど名選手のポスターがあふれ返っている。

 客用の靴べらやスリッパ、招き猫や出前用の車に至るまで、長嶋さんの背番号「3」の数字で統一されており、営業時間も10時3分~21時3分と「3」のこだわりを貫く。西田さんのいちずな「長嶋愛」に感銘を受け、遠方から訪ねて来る巨人ファンも多く、店内に飾られているグッズのほとんどは客からの寄贈品という。

 西田さんは「修業先からなんとか一軍にあがった」という1969(昭和44)年に呉羽に店を構え、「長嶋ラーメン」「江川定食」「篠塚定食」などの巨人軍選手をモチーフにしたメニューを売りにした。

 一方で、「尊敬する長嶋さんを食べるとは何事だ」とのクレームがあり、それらのメニュー名をやめてしまったというが、常連客からはいまだ「長嶋ラーメン」と称される「ラーメン」(530円)は、昔ながらの中華そばで懐かしく優しい味わいで「不動の四番」を誇っている。

 そば、ラーメンのほか、丼や定食といった80品以上のメニューをそろえ、いずれも食後のコーヒーが付く。謙虚で優しい西田さんの人柄も、同店の人気に大きく貢献している。

 巨人の次期監督候補について、西田さんは「江川卓さんがうわさされているが、あと2、3年後には、長嶋さんのまな弟子である松井秀喜さんに巨人の監督をやってほしい。それまで何とか頑張って店を続けたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は10時3分~21時3分。第1・3水曜定休。

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