「第18回 五箇山和紙まつり」が9月29日・30日、南砺市の「道の駅たいら・五箇山和紙の里」(南砺市東中江)をメイン会場に開催される。
江戸時代より加賀藩の和紙産地として発展していた「五箇山和紙」。豊富な雪解け水から育まれる自家栽培の五箇山楮(こうぞ)を使う。その皮から採れる繊細な繊維と、トロロアオイから採取された大量のネリ(粘液)を混入し、四角い木枠の中に網が張られた「漉(す)きげた」で漉き、水分を抜いて乾燥し作られている。
富山市の八尾和紙、朝日町の蛭谷和紙と共に「越中和紙」として、国の伝統工芸品に指定され、国の重要文化財の補修用紙になくてならない存在になっている。2013年に東京都目黒区のデザインユニット「minna(ミンナ)」と協働で、五箇山和紙を使ったブランド「FIVE(ファイブ)」を立ち上げ、和紙の既成概念にとらわれない、鮮やかなポップなカラーを取り入れながらカードケース、ブックカバーなど商品化も行ってきた。
当日会場では、和紙の切り絵体験をはじめ押し花ランプシェード、和紙の藍染め絞りなどのワークショップを予定。飲食ブースでは、とち餅、くるみパン、五箇山豆腐の薫製(いぶりとっぺ)など五箇山の特産品を中心に提供する。特設ステージでは、地元保存会による「こきりこ節」「小谷麦屋節」、南砺市出身のシンガー・ソングライター、林道美有紀さんのライブを開催。30日の14時からは、振る舞い餅の提供も行う。
イベントの関連イベントとして、会場内のショップフロアと2階ギャラリーで行われる「武蔵野美術大学作品展 五箇山和紙アート雑貨展」では、五箇山和紙を使い武蔵野美術大学のOBが作った雑貨品を展示販売する。昨年度はイヤリングやネックレスなどのアクセサリー、和紙のランプ、デザインうちわなど販売した。この企画は11月下旬まで開く。「たいら郷土館」では10月21日まで、今年で22回目になる「全国和紙ちぎり絵展」も行われている。五箇山和紙まつり期間中は入館無料。
同祭を運営する「道の駅たいら」の野原武次駅長は「時代によって和紙の需要は減っているが、和紙祭りを通じて和紙ちぎり絵の美しさや和紙体験の楽しさ、和紙工芸品に触れることで、和紙を身近に感じていただければ」と話す。
開催時間は10時~16時。入場無料。