富山県民会館(富山市新総曲輪4)1階にある「D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY」(TEL 076-471-7791)で7月12日から、「Carton×富山 旅するダンボール展」が開催されている。
段ボールアーティストCarton(カルトン)こと島津冬樹さんを紹介する。島津さんは「不要なものから大切なものへ」をコンセプトに、段ボールを通して「街」をひもといていくアーティストとして、これまでに世界30か国を旅してきた。旅先で出合った不要な段ボールを財布やカードケースに作り替える活動を行っている。
島津さんの活動を追ったドキュメンタリー映画「旅するダンボール」が今年12月7日に公開されることから、富山市に本社を置くパッケージメーカー「サクラパックス」が協賛し同展が実現した。
島津さんは長年、何気ない街角に捨てられた段ボールを拾うだけではなく、その段ボールがその土地にたどり着いたストーリーを読み解き研究する。段ボールが地域のものづくりと密接に関わっていると考え、段ボールを手に入れるまでの交渉やコミュニケーションなどから、社会的背景や人々の生活もひもといている。
同展では、リサイクルの先を行く新しい概念としてのアップサイクル活動を知ってもらうために、島津さんが富山を歩いて段ボールを探す様子を写真と直筆のコメントで紹介している。7月28日には段ボールで財布を作るワークショップも開催。参加者には島津さんの活動をスライドでも紹介した。
同店の店長・進藤仁美さんは「島津さんの活動は、リサイクルから一歩進んで不要なものの価値を高めていく点が優れており『アップサイクル』活動として世界から注目されている。さらに、その土地のストーリーや背景を理解していてユニーク。段ボールという身近な素材から、富山の個性を再発見するきっかけにもなってほしい」と話す。
開催時間は10時~19時。8月26日まで。