きこりをなりわいとしながら、ブルースマンとして活躍する富山在住のW.C.カラスさんが、セカンドアルバム「うどん屋で泣いた」を8月26日にリリースした。
昼はチェーンソー片手に木を伐採し、夜はドブロギターをかき鳴らすカラスさん
50歳を目前とした2013年に、アルバム「W.C.カラス」でPヴァイン・レコードよりデビュー。同作は、国内唯一のブルース専門誌「ブルース&ソウル・レコーズ」の年間ベスト・アルバム10枚に選出され、「富山から出現した革命児」として大いに話題を呼んだ。同誌の編集長・濱田廣也さんは、カラスさんのデビュー作について「日々の暮らしに染み込んだブルーな感情を虚飾無く描き切った、ジリジリと心に焼き付く生身のブルース」と称賛する。
2年ぶりとなった新作について、カラスさんは「これが本当の出発点。デビュー盤はアンソロジー的にただ音を残したかっただけなので、2枚目からが本当のアルバム」と話す。ソウルフルなメンフィス・サウンドが高揚感をあおるタイトル曲「うどん屋で泣いた」を筆頭に、遠藤ミチロウさんの曲をカバーした「Just Like A Boy」、ドブロギターとピアノのアグレッシヴな競演「飯炊き男のBLUES」、浪曲さながらのコブシがきいた「労働は苦しい」、エモーショナルな梅津和時さんのサクソホンがさえ渡る「誰かが死んだら靴をみるといい」など全10曲にわたり、ブルースの垣根を越えた幅の広い音楽性が展開される。梅津さんをはじめ、モアリズム、ズクナシといったゲストミュージシャンが作品に華を添え、富山出身の女優・室井滋さんが帯文にコメントを寄せる。
カラスさんのファンだという女性は「ブルースに詳しくなくても、楽しんで聞けるキャッチーさがある。『誰か僕を養ってくれませんか』と歌いのける自堕落さや、『素うどんがうまくて泣いた』といった、生活に潜む哀切・おかしみを表現した歌詞も魅力的」と語る。
8月27日に「casa de la musica」(高岡市TEL 0766-25-0760)、8月28日に「音楽酒家 村門」(富山市上本町、TEL 076-421-7751)でライブを開催。9月6日にはタワーレコード渋谷店(東京都渋谷区、TEL 03-3496-3661)6階でインストアイベントも予定する。
アルバムの価格は2,700円。