トークイベント「ピストン藤井といるふ天野のホタルイカ夜話」が2月16日、滑川市の古書店「古本いるふ」(滑川市瀬羽町、TEL 076-456-6720)で行われる。
ライターのピストン藤井さんは、富山の珍妙な魅力を発掘するミニコミ「文芸逡巡(しゅんじゅん) 別冊 郷土愛バカ一代!」を制作してきた。昨年10月に本名名義の藤井聡子として、初の単行本「どこにでもあるどこかになる前に。~富山見聞逡巡記~」(里山社、2,090円)を刊行。北陸新幹線の開業によって再開発が進む富山で、ユニークな人々との出会いを通して、自身の居場所を見つけていく過程がつづられる。
同店店主・天野陽史さんは愛知県出身。結婚を機に妻の故郷である黒部市に移住し、2015(平成27)年から「よこわけ文庫」として古本市などでイベント出店を行ってきた。2018(平成30)年に滑川市で実店舗を構えるに当たり、屋号を「古本いるふ」に変更。「いるふ」は古い(ふるい)という言葉を反対にしたもので、新しいという意味を込めたという。
藤井さんと天野さんは、2013(平成25)年から始まったブックイベント「BOOK DAY とやま」で知り合い、交流を深めた。藤井さんは同イベントで初めてミニコミを発表し、天野さんは運営に携わることで自身の古書店を構える足掛かりになったという。今回の企画では、富山に根を張り活動してきた互いの足跡をたどり、「居場所の作り方」をテーマにトークを繰り広げる予定。
今回の企画に際し藤井さんは「初めて単行本を出した時、わがことのように喜んでくれて応援してくれたのが天野さんだった。互いにモヤモヤを抱えながら富山にやって来て、『BOOK DAY とやま』で人生が動き始めたという共通項がある。イベント名を『ホタルイカ夜話』にしたのも、『ホタルイカ目玉飛ばし大会』で2メートルを記録した自分と、ホタルイカの漁場である滑川で店を営む天野さんとの共通項から。天野さんの話を聞けることを楽しみにしている」と話す。
天野さんは「『どこにでもあるどこかになる前に。』は、里山社さんでのウェブ連載当初から読んでいた。大いに共感できる部分があり、勝手に励まされたりもして、著書になると聞いた時はうれしくて大量に仕入れた。今回のトーク企画が、藤井さんの著作の面白さの一端を伝える一助となれば」と話す。
当日は藤井さんのオリジナル演歌「身投げ慕情」の生演奏も披露される予定。
開催時間は17時。参加費は500円。定員は15人(要予約)。