黒部市にあるフリースペース「自由空間 かって屋」(黒部市三日市)で8月4日、ハンバーガー自動販売機でのチーズバーガー販売が行われる。
黒部と富山の鉄道愛好家団体「くろてつの会」の嵯峨拓也さんによると、うどん、そば、トーストサンド、ハンバーガーなどを自動で調理する販売機は、昭和40年から50年代に開発されたという。長距離ドライバーなどをターゲットにドライブインへ数多く設置されたが、現在では全国で100台程度しか稼働していないとも。
富山県内では「ドライブイン頼成山」(砺波市)が北陸で唯一、ハンバーガーの自販機を20年以上稼働してきたが、利用客の減少により今年5月10日に同店は閉店。昨年末から故障で動かなくなっていた廃棄処分寸前の自動販売機を嵯峨さんが引き取ったという。嵯峨さんは「閉店を知って廃棄されることがもったいないと思い、オーナーにすぐに連絡した。県外での引き取り手もいたようだが、地元の富山で動いたほうが良いとのことで選んでいただけた」と振り返る。
引き取った自販機は、1980年代前半の製品。硬貨を入れてボタンを押すと、冷蔵庫に保管してあるハンバーガーが自販機内の電子レンジで温められ、熱々の状態で提供される。
若干の修理を施した自販機は「自由空間 かって屋」に設置され、7月7日に初稼動した。当日はSNSの告知を見て、県内外から多くの人が駆け付け、開店前から行列ができていたという。この日は4時間で40個のハンバーガーを売り上げた。
今後は嵯峨さんが同店にいる日のみ、自販機を限定稼動していく予定だという。嵯峨さんは「現在は冷蔵機能が故障しているため、保冷剤を使って品質を保ちながら提供している。群馬県の業者からハンバーガーを取り寄せているが、将来的には黒部でハンバーガーを作って販売したい」と意気込む。売り上げは自販機の修理費、維持管理費に充てるという。
嵯峨さんは「黒部の珍しいハンバーガー自販機を目的に、たくさんの方に来ていただければ」と呼び掛ける。
4日当日は18時より販売開始し、在庫が無くなり次第、終了。