富山の芦峅寺(あしくらじ)雄山神社(立山町芦峅寺)で正月三が日、「立山護符」が販売された。
本物のブリの皮を使用し、1枚1枚手刷りされている「越中えびす」の護符
立山は日本三霊山の一つで、古来より山岳信仰が特に盛んな山として知られており、「立山権現」の伝説が残っている。約1300年前に少年の佐伯有頼が白鷹と黒熊に導かれて立山を開山し、その白鷹と黒熊の正体が神様(権現様)とされ、古くから立山信仰ではこの2つをシンボルとしてあがめていた。白鷹と黒熊をあしらった護符は、厄よけや火の用心に効果があるとされ、民家の玄関先で新年ごとに貼り替える風習が地元では残っている。
地元の和紙職人・川原隆邦さんが2015年に復刻させ、今年はオリジナルデザインを含む、「越中えびす」「立山の宝」「火の用心」「雷鳥護符」「宝船」「導き」「おんば様」の7種類の護符を用意。中でも「越中えびす」が人気を呼び、元日に完売した。
自ら和紙を漉(す)き版画を彫った川原さんは「富山のえびす様なのでタイではなくブリを抱えている。そして富山のブリは定置網漁なので、釣りざおは持っていない。そのブリの部分には本物のブリの皮を使っている。富山ならではの、福々しいえびす様の護符が完成したと思う」と話す。