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立山町の川原さんが「人間力大賞」グランプリ 伝統の手すき和紙作りへの思い語る

グランプリを受賞した際の会場の様子

グランプリを受賞した際の会場の様子

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 東京・大正大学礼拝堂(豊島区西巣鴨3)で9月17日、「第30回 人間力大賞」の授賞式典が行われ、立山町虫谷在住の和紙職人・川原隆邦さんがグランプリを受賞した。主催は公益社団法人 日本青年会議所。

喜びの表情を見せる和紙職人の川原隆邦さん

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 科学技術・医療・福祉・文化芸術・国際交流・国際協力・環境・スポーツ・教育・まちづくり・災害復興など、さまざまな分野で活躍する20~40歳までの傑出した若者をたたえる同賞。

 川原さんは今回、内閣総理大臣奨励賞、経済産業大臣奨励賞も併せて受賞した。

 今年4月、富山青年会議所の推薦を得て、全国198人の応募の中から書類審査と二次選考でファイナリスト10人に選出された川原さんは、6月に都内で行われたプレゼンテーション大会に出場。富山県朝日町で400年前から伝わるという「蛭谷(びるだん)和紙」の製法を継承し、原料となるコウゾやトロロアオイの栽培・和紙製作を一貫して手作業で行う自分の思いを同大会でプレゼンテーションした。  

 川原さんは、1981年生まれ。幼い頃から父の転勤で関東や海外で生活した。千葉県の高校卒業と同時に、両親の故郷である富山へ移住。2003年、朝日町の蛭谷和紙唯一の継承者・米丘寅吉さんに師事した。結婚を機に立山町へ拠点を移し昨年末、自身の工房を虫谷地区に構えた。

 今回、希少産業を次世代へつなげる強い思い、自由な発想で伝統を作り出す精神、和紙の新しい用途開発などが評価されグランプリに輝いた。富山県推薦のグランプリ受賞者は川原さんが初めて。

 川原さんは「和紙はあくまで副産物。地域のコミュニティを再生することこそが大事だと思って活動している。今後は、和紙を取り巻く環境を国内外に発信し、より広く活動の幅を広げたい」と話す。

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