富山のグラフィックデザイナー、宮田裕美詠さんが手掛けた千代鶴酒造(滑川市)の日本酒のシンボルマーク・ロゴタイプが公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)のロゴタイプの部門で「JAGDA賞2016」に選ばれた。県内からの受賞は初めての快挙。
2015年12月、同協会が毎年発行している年鑑「Graphic Design in Japan 2016」に掲載される作品選考会が行われた。約2200作品もの作品が全国のJAGDA会員から出品され、その中から選ばれた入選作品は約600作品。併せて、「第18回亀倉雄策賞」(1作品)「JAGDA賞2016」(10作品)「JAGDA新人賞2016」(3人)もそれぞれ決定した。
パッケージやポスター、新聞・雑誌広告など10部門で1作品ずつ選ばれる「JAGDA賞」はその年を代表する優れたグラフィックデザインを顕彰し、後世に伝えるために2008年に創設された賞。年鑑「Graphic Design in Japan」出品作品の中から、特に優れた数作品に授与される。今回宮田さんが受賞したロゴタイプ部門では428点が出品され、入選したのは54点。その中からJAGDA会員互選による選考委員が審査し、見事選出された。
受賞作は、千代鶴酒造の頭文字「千」をグラフィカルに表現し、酒蔵の伝統と実直さにモダンな空気を吹き込んだデザイン。当初はブランドのロゴマークとして制作されたが、同酒造で初となる純米大吟醸のリリースと重なり、ロゴをそのままラベルにも採用することになったという。
宮田さんは受賞について「とても驚いている。多くの方にこのすてきな酒造を知っていただくきっかけにつながればうれしい」と語る。
入選作品を収録した年鑑は、6月発行予定。発刊に合わせ、「東京ミッドタウン・デザインハブ」で、年鑑作品展「日本のグラフィックデザイン2016」も開催される。