非常に強い冬型の気圧配置の影響により、1月9日、富山市で126センチの積雪を記録した。1メートルを超える積雪は1986年以来、35年ぶり。
開業以来、初の運休となった北陸新幹線をはじめ、JRや富山地方鉄道、あいの風とやま鉄道といった交通機関が軒並み運行を見合わせ、ダイヤが大幅に乱れた。市内を走る路面電車も除雪が追いつかず、レール上にこんもり雪が積もった状態が続いた。
県内の主要道路でも、至る所で車の立ち往生や渋滞が発生した。「富山テレビ」(富山市新根塚町)が定点カメラでライブ配信する「お天気カメラ」には、9日未明、同局本社前の交差点でスタックしている車を複数人で救出する場面が映し出された。路面状況の悪さや、未明にまでおよぶ渋滞の様子も配信されていたことから多くの人が視聴。「富山テレビ」というワードが一時、ツィッターのトレンド1位を獲得し、全国から心配の声が寄せられた。
富山市内で勤務する40代の女性は、「8日夜、いつもは会社から20分で帰宅できるのに、2時間近くかかった。道路がボコボコだったので、事故を起こさないよう緊張しながら運転した。知り合いの中では、帰宅に8時間近くかかった人や、市内バスに6時間乗っていたという人も。3連休は一生分の雪を掘ったと思うほど、雪かきに明け暮れた。もう、おなかいっぱい」とうんざりした表情で話す。
配送の遅れによって、スーパーでは品薄状態が続いた。富山市内在住の70代女性は「やっとの思いで雪をかきわけ、スーパーへ向かったが野菜や肉、パンがまったくなくて困った。お総菜類が少し残っていたので助かった。あるもので何とか食事の用意をしたい」と話す。
11日で大雪の峠は越えた一方、12日以降は逆に気温が上昇する見込み。落雪、なだれに要注意。