富山の新聞社「北日本新聞社」から9月12日、朝刊の人気連載を書籍化した「虹」第6集が発売される。
2009(平成21)年5月に射水市の企業「大谷製鉄」の協賛で始まった連載「虹」は、毎月1日付の朝刊で1ページ全面にわたって構成される。富山にゆかりのある老若男女を取り上げ、多様な人生模様をつづる。第6集となる今回は、2017(平成29)年9月から2019年4月までの全20回を収める。同書は県内の小中高校、特別支援学校、公立図書館などに寄贈する。
亡くなった後も慕われ続ける「鬼」と呼ばれた料理人や、SNSで話題を呼んだレトロな手書きテロップ職人。生き辛さを抱えた人々を受け入れるコミュニティーハウス運営者や、ブラインドマラソンで42.195キロ完走を目指すランナー&伴走者、若手作家の発信拠点を目指す古書店店主、カレー作りに情熱を燃やす大学生など。富山出身・在住の生粋の富山県民から、都会で活躍する富山出身者、他県からの移住者までさまざまな登場人物がそろい、悲喜こもごもの人生に寄り添う言葉がつづられる。
取材・執筆した北日本新聞社の田尻秀幸さんは「登場する方々に共通していることは、富山に何かしら縁があるということと、さまざまな問題と向かい合いながらも何かを決意したということ。皆さん、自分だけの人生を力強く生きている。『靴紐をきつく結んで』というサブタイトルで、取り上げた方たちの秘めた思いを表現したつもり。20編のどれか一つにでも、共感してもらえたらうれしい。読者の背中をそっと押すような一冊であったらと願う」と話す。
価格1,080円(税込み)。