富山県の新しいランドマークとなる「富山県美術館」(富山市木場町3)が3月25日、8月26日の全館開館に先立ち、一部を一般公開する。
窓越しに立山連峰を望む高さ11メートルの吹き抜け「ホワイエ」
2階、3階の「展示室」と「オノマトペの屋上」を除く、すべての部分が対象となる一般公開では、1階「TADギャラリー」やワークショップなどが行われる「アトリエ」、老舗洋食店「日本橋たいめいけん」、来館者の憩いの場となるカフェの営業がスタートする。
同美術館は、前身である「県立近代美術館」の開館当初からの理念を継承しつつ、より一層デザインという視点を取り入れ、「アートとデザイン」をつなぐ美術館を目指す。
副館長の杉野秀樹さんは「従来の美術館の『観(み)せる』という使命にプラスして、活動や創作の部分を担う『アトリエ』の要素を取り入れた。屋上庭園やレストランなども作り、幅広く皆さんに楽しんでもらえるようになった。美術教育の普及に期待したい」と話す。
富岩運河環水公園から同美術館までは、美しいプロムナードでつながり、公園を散歩しながらアートとデザインを感じることができるようにもなっている。
一部開館を記念して同美術館では25日と26日の2日間「TADドキドキ祭」を開催。TADは同美術館の略称で、構想から完成までの記録に焦点を当て、映像や写真で紹介する企画展「実録 ありえない美術館ができるまで」や、同美術館を設計した建築家・内藤廣さん、「日本橋たいめいけん」3代目オーナーシェフ・茂出木浩司さん、屋外展示作品を手掛けた彫刻家・三沢厚彦さんによるトークイベントなども行う。そのほかアートマーケット、学生によるワークショップなど参加型のイベントも予定する。いずれも参加無料で、アトリエで開催するワークショップのみ事前申し込みが必要。
開館時間は9時30分~18時(初日は13時30分開館)。入場無料(コレクション展は300円)。今後は4月29日に屋上庭園「オノマトペの屋上」が開園、8月26日に本開館を予定する。