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富山県立近代美術館が移転前最後の企画展 個性派アーティストがドーム空間彩る

アーティストの淺井裕介さんが一般に公募したサポーターと共同制作した泥絵

アーティストの淺井裕介さんが一般に公募したサポーターと共同制作した泥絵

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 12月28日をもって閉館し新築の富山県美術館に移転する富山県立近代美術館(富山市西中野町、TEL 076-421-7111)で3日から、最後の企画展「MOVING!――ミュージアムが『動く』」展が開催される。

20年ぶりに再展示される陶造形作家・伊藤公象さんの作品「木の肉・土の刃IV」(1996)

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 同館はドーム型の天井と吹き抜けで貫かれた展示室が特徴で、その空間を最大限に生かすべく3人の個性豊かなアーティストを招待し、多くの人が参加して一緒に作り上げる展示を企画した。招待したアーティストは、陶造形作家の伊藤公象さん、絵描きの淺井裕介さん、現代美術家の田村友一郎さん。

 伊藤さんは石川県出身で、1960年代に富山で作家活動を開始。土を素材とする立体造形を制作し世界的な評価を得てきた。同展では、1996年に同館で展示された直径12メートルの陶造形作品「木の肉・土の刃IV」を20年ぶりに再展示する。

 淺井さんは東京都出身で、現地で採取した土と水で描く「泥絵」をはじめ、身近な素材を用いてあらゆる場所に描く手法が特徴。同展では、一般に公募したサポーターと2週間かけて共同制作した泥絵を出展。移転する近代美術館の土と、新しい富山県美術館の建設現場の土も絵の具として使う。

 田村さんは富山県出身で、映像やインスタレーション、パフォーマンスなどの横断的な手法を用いて作品制作を行っている。同展では、富山で過ごした青春と藤子不二雄A(○の中にA)さんの漫画「まんが道」にまつわるインスタレーションを出展する。

 同館職員の碓井麻央さんは「この美術館の建物では最後の企画展となるので、空間の特徴を生かす展示と、多くの方が参加する機会をつくることを意識した。場と深く結び付いたアーティストの作品とともに、展示室の空間そのものを存分に味わってほしい」と話す。

 関連イベントとして、18日~28日にはクロージングイベント「10 Days Older」を開催。アーティスト・高橋匡太さんによる光のインスタレーションとして美術館をライトアップする。23日には「ひかりの実」のワークショップ、およびクロージングセレモニーとスペシャルライトアップも予定され多くの来場者を見込む。

 開館時間は9時30分~18時。月曜休館。観覧料は一般=700円、大学生=500円、高校生以下無料。今月28日まで。

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