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「この世界の片隅に」作画監督・松原秀典さん、富山の書店でトークショー

「松原さんは憧れの先輩」と語り、パネル展に見入る蛯谷さん

「松原さんは憧れの先輩」と語り、パネル展に見入る蛯谷さん

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 富山の大型書店「文苑堂豊田店」(富山市豊田)で1月21日、アニメ映画「この世界の片隅に」で作画監督を務めた松原秀典さんのトークショーとサイン会が行われる。

戦時下の暮らしぶりを細部まで書き込んだ原画

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 こうの史代さんの同名コミックを片渕須直監督が映画化した同作は、第2次世界大戦下の広島・呉市を舞台に、戦況が過酷を極める中で日々を豊かに生きようとする市井の人々を描いた作品。メジャー配給ではないインディペンデント系作品ながら、昨年11月の公開時から観客動員60万人を突破、興行収入も8億円を超える大ヒットとなっている。

「2016年 第90回キネマ旬報ベスト・テン」の日本映画部門で1位を獲得。アニメ作品の受賞は宮崎駿監督の「となりのトトロ」以来28年ぶりであることも話題になった。

 松原さんは1965(昭和40)年南砺市生まれで、富山県立高岡工芸高校デザイン科卒業のアニメーター。「新世紀エヴァンゲリオン」「ああっ女神さまっ」「サクラ大戦」など、数多くの人気アニメのキャラクターデザイン・作画監督を務めている。高岡市の観光大使キャラ「あみたん娘」のキャラクターデザインも手掛け、2012年には高岡市美術館(高岡市中川)で原画展が開催されるなど地元との縁も深い。

 トークショーでは、構想から6年をかけて映画化に至った同作への思いや、戦時下の人々の暮らしをリアルに描いた作画秘話などを披露する予定。併せて、原画のパネル展示も開催中。

 松原さんと同じく、高岡工芸高校の生徒である蛯谷萌さん(17)は「小学生の時に松原さんの原画展を見て感銘を受け松原さんと同じデザイン科に進んだ。『この世界の片隅に』は、単に戦争で『何十万人』が亡くなったという数字上の話ではなく、続いていたであろう何十万人の何十年分もの『暮らし』が無くなった、ということの重たさを描いている。そのアニメ作品の作画を手掛けた憧れの先輩の話をぜひ聞きたい」と話す。

 同店の北村俊郎店長はトークショーについて、「映画化されたことで原作コミックの売り上げも伸びている。原作の魅力である独特のトーンや感情表現が、映画でも見事に表現されているので、その製作過程を聞ける絶好の機会になれば」と話す。

 13時30分開演。入場無料。サイン会は整理券が必要。詳細はフェイスブックページで確認できる。

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