リリース発行企業:岐阜県飛騨市
岐阜県飛騨市(市長:都竹淳也)は、富山大学との包括連携協定に基づき、認知症および軽度認知障害(MCI)の進行抑制を目指した漢方薬「八味地黄丸(はちみじおうがん)」の大規模臨床研究を資金面から全面支援するプロジェクトを始動しました。
現在、漢方の臨床研究は公的資金の獲得や製薬会社からのプラセボ(偽薬)提供が難しく、研究が停滞する危機に瀕しています。この壁を打破し、安心・安価な「新しい治療選択肢」を世界へ発信するため、飛騨市は「ふるさと納税型クラウドファンディング(GCF)」を活用し、目標金額4,000万円の寄附募集を行っています。

岐阜県内自治体初、富山大学との包括連携協定が生んだ具体策
飛騨市と富山大学は、車で約1時間半という近距離にあり、これまでも地域医療や薬草事業などで深く連携してきました。そして2025年3月、人口減少に伴う地域課題の解決や教育研究の発展を目指し、相互の連携協力に関する包括協定を締結(富山大学が岐阜県内の自治体と包括協定を結ぶのは初)。 今回のクラウドファンディングは、この協定に掲げられた「安心・安全で持続可能なまちづくり」および「和漢薬等を利用した地域振興」を具現化する、共同プロジェクトとなります。

2025年3月 富山大学と連携協力に関する包括協定を締結
富山大学との連携による市民向け健康講座
背景とプロジェクト発足の経緯
2030年には認知症とその予備軍が1,100万人を突破すると言われる日本。早期の対策は急務ですが、現在の最先端の治療薬には「価格が非常に高い」「副作用のリスクがある」といった課題が残されています。 そこで、今回の包括協定を機に飛騨市が共同して実施することを決めたのが、富山大学の漢方研究です。同大学の研究により、足腰の冷えや頻尿に使われる一般的な漢方薬「八味地黄丸」を標準的治療にプラスすることで、女性患者の認知機能低下を抑えられる可能性が見えてきました。
しかし、漢方の臨床研究は国や企業からの資金が集まりにくく、せっかくのチャンスが資金難で停滞しているのが現状です。 安全で、財政的にも優しい漢方治療のエビデンス(科学的根拠)をしっかり証明し、世界へ届けるために、市として、この画期的な医療研究を埋もれさせてはならないと考え、全国の皆様から広く寄附を募る「ふるさと納税型クラウドファンディング」を立ち上げ、研究費用の全面バックアップを決定しました。

安全・安価な「漢方上乗せ治療」が社会にもたらす変革
本プロジェクトが目指すのは、単なる研究成果の発表に留まらず、日本の超高齢社会が直面する医療課題に対して、将来の具体的な「選択肢」を提示することです。
最大の成果は、既存の認知症治療薬に漢方薬を組み合わせる「上乗せ治療」という新しいスタイルの確立です。確かなエビデンスに基づくこの安全かつ安価な治療選択肢が広がることで、軽度認知症の患者様やそのご家族が、住み慣れた地域で健やかに、自分らしく暮らし続けられる社会の実現(健康寿命の延伸)へと繋がります。
さらに、この研究は地域医療の質を底上げする起爆剤にもなります。専門医だけでなく、身近な地域のかかりつけ医が自信を持って漢方薬を処方できる環境が整うことで、日本全体の医療水準が向上し、深刻化する国家の医療費抑制にも大きく貢献します。
この事業の受益者は、現在そして未来の軽度認知症患者様とそのご家族に留まりません。安全で効果的な漢方医学のさらなる発展を願う全国の医療従事者(日本東洋医学会会員など)をはじめ、安心な老後を願うすべての一般市民の方々へ、確かな希望という形に変えて成果を還元していきます。
2029年のエビデンス公表を目指して
本プロジェクトは、患者様の登録から厳格なデータ解析まで、約3年半をかけてじっくりと信頼性を構築していく長期的プロジェクトです。
【2026年 5月~8月】 資金と研究薬の確保(現在)
ふるさと納税型クラウドファンディングの実施による研究資金の確保、および研究に不可欠な試験薬・プラセボ(偽薬)の調達を行います。
【2026年 8月~】 多施設での臨床試験スタート
複数の医療機関と連携し、対象となる患者様の登録および、八味地黄丸の上乗せ服用による経過観察(臨床試験)を本格的に開始します。
【~2029年 頃】 観察終了・解析、そして世界への発信
全症例の観察を終了。集まった膨大なデータを厳格に解析し、認知機能悪化の抑制効果に関する科学的エビデンスを公表します。
富山大学貝沼先生コメント

日本は超高齢社会を迎え、認知症などへの対策がますます重要になっています。八味地黄丸をはじめとする漢方薬には、その助けになる可能性がありますが、きちんとした科学的な証明(エビデンス)がまだ十分ではありません。そこで私たちは、クラウドファンディングを通じて臨床研究を進め、「本当に効果があり、安全なのか」を明らかにしたいと考えています。この研究の成果を、健康寿命の延伸ならびに日本の医療費削減につなげることが目標です。
市としての支援の思い
超高齢社会を迎える日本において、認知症はどの地域にとっても他人事ではない最重要課題です。富山大学様の素晴らしい研究が資金難でストップしてしまうのは、社会全体の大きな損失です。
飛騨市がふるさと納税という仕組みを通じて全国の善意を繋ぎ、安心・安価な新しい医療の選択肢をこの地から世界へ届ける一助となることを目指していきます。
ふるさと納税型クラウドファンディングの概要
集まった資金は、200症例の大規模臨床データを収集するための費用や、研究に不可欠な偽薬(プラセボ)の製造費用などに全額充てられます。
プロジェクト名: 八味地黄丸の臨床研究を前に進め、科学的根拠(エビデンス)に基づいた新たな治療選択肢を世界に発信する
実施期間: 2026年5月7日(水)~ 2026年8月4日(火)
目標金額: 4,000万円
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