これまで見過ごされがちだった「灯台」の魅力を再発見し、地域資源として利活用しようとする全国各地の取り組みを追ったドキュメンタリー番組「海と灯台 未来への輝き」が2025年2月22日(土)、テレビ愛知他テレビ東京系列6局で放送されます。
日本財団「海と灯台プロジェクト」を運営する一般社団法人 海洋文化創造フォーラムは、同番組の企画・制作に全面協力しています。「海と灯台プロジェクト」は、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
灯台に新たな価値を見出した人たちの物語
灯台はかつて、海を旅する人々にとって生命線とも言える存在でした。しかし、GPSなどテクノロジーが劇的に進化した現代において、灯台の役割は変化しつつあります。
それでも、地域の歴史と文化を見守ってきた灯台には、海と深く関わりながら生きてきた人々の営みに関する記憶が刻まれています。そして、それを新たな形で活用していこうという全国的な動きが徐々に広がりつつあります。
本番組は、灯台に新たな価値を見出し、それを活用して地域活性化に取り組む人たちの物語を描いたドキュメンタリーです。灯台は今や、地域の象徴としての新たな役割を担い、人と人、人と地域、そして人と海を結びつける存在へと生まれ変わりつつあります。日本各地の灯台とそこに関わる人たちに焦点を当て、灯台が船だけでなく、人や地域の未来を導く希望の灯りとなる可能性を追いかけました。
地域活性化の象徴として熱い注目を集める3灯台
野間埼灯台(愛知県美浜町)
野間埼灯台では、地元の町おこし団体から「現代版灯台守」に任命された仙敷裕也さん・美佳さん夫妻が、灯台を軸にした地域活性化に奮闘中。プロのフォトグラファーとしても活動している裕也さんは、ウェディングフォトの聖地として灯台を盛り上げる活動を展開。一方、美佳さんは灯台のふもとで自家製のタコスやスムージーを提供するキッチンカーを運営し、灯台を訪れる観光客をもてなしています。
2人の活動は灯台付近だけに留まらず、1月にはコロナ禍で途絶えていた地元のお寺での青空市を復活させ、多くの来場者を集めました。灯台を通して多くの人とふれあい、地域に笑顔を増やしている2人の姿をカメラが追いました。
潮岬灯台(和歌山県串本町)
本州最南端の岬に立つ、明治初期建造の石造り灯台「潮岬灯台」では、「灯台ホテル」開設を目指す動きがあります。灯台と同時期に建設された灯台守の住宅(旧官舎)を宿泊施設として活用することを目指しています。ところが、ヨーロッパでは灯台守の旧官舎を利用したホテルが人気なのに、日本ではさまざまな規制があり、ただ模倣するだけでは実現しないことが分かってきました。
課題にぶつかりながらも、「(もし灯台ホテルが実現できれば)人生が深まったり、歴史の豊かさを感じることができたり、そんな場所になっていくとの期待が自分の中にありますね」と話す発案者、南畑義明さんの熱意は全く衰えていません。「日本初の灯台ホテル」実現を目指す南畑さんの地域愛とその熱意を詳しく伝えます。
生地鼻灯台(富山県黒部市)
生地鼻灯台は、住宅地の中心に位置する全国でも珍しい「まちなか灯台」。かつては北前船の寄港地として栄えた生地の町において、灯台は地域の絆と文化を象徴する存在として親しまれてきました。この灯台をまちの活性化につなげようと、地域住民有志でつくる町おこし団体「ファンタジー生地」が始めたのが、「生地鼻灯台マーケット」。生地の伝統料理「魚のたて焼き」をはじめ、地元の特産品や手作り雑貨を売るテントが灯台の下に立ち並び、訪れる人々を温かく迎えます。
「灯台は生地の水のように当たり前の存在だったが、イベントを通じてその価値を再発見した」と語るのは、運営メンバーの岡島和悦さん。灯台を中心に広がる笑顔と交流の輪が地域に新たな活力をもたらしていく様子を、カメラがとらえました。
地域課題を解くカギは灯台にあり!?
ドキュメンタリー番組「海と灯台 未来への輝き」は、灯台を中心に繰り広げられる人間ドラマの中に、地域社会が抱える課題とその解決のヒントを映し出す作品です。本番組を通じて、全国各地に点在する「灯台」が持つ無数の可能性を再発見していただけたら幸いです。ぜひご視聴ください。
<番組概要>
<団体概要>
団体名称 :一般社団法人海洋文化創造フォーラム
URL:https://toudai.uminohi.jp/
日本財団「海と灯台プロジェクト」
人と海は、時間的にも空間的な意味においても「灯台」を境に関わってきました。航路標識として、従来の船舶交通の安全を担うという重要な役割から広がりつつある灯台。その存在意義について考え、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、日本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していくプロジェクトです。海と灯台プロジェクトは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
https://toudai.uminohi.jp/
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/