映画上映と音楽のイベント「ワンメコンミーティング」が6月8日・9日、射水市の文化施設「LETTER」(射水市戸破)で開催される。
「stillichimiya」のMMMさん、YOUNG-Gさん
映像制作集団「空族(くぞく)」の映画を上映し、「OMK (ワンメコン)」がアジアの音楽を紹介する同イベント。「空族」は長期間に及ぶ独特の映画製作スタイルで、日本だけでなくアジア各地を舞台にした作品を発表し、作品ごとに合わせた配給・宣伝も自ら行う。
今回上映するのは、タイ・ラオスを縦断しオールロケで製作した映画「バンコクナイツ」のメイキング・ドキュメンタリー「映画 潜行一千里」、ユーチューブで見つけたカンボジアのインディーズ・ヒップホップ・レーベルを訪ねる「ラップ・イン・プノンペン」の2本。
「OMK」は、アジアの地下ヒップホップ・シーンからクラブ、ローカルなディスコまで潜入調査し、インターネットでは分からない音楽、危険な現場、ゴシップ、レコード、カルチャーをディグする(探し求める)プロジェクト。タイ音楽のリサーチと収集をし、発掘音源のリリースにも力を入れる2人組DJユニット「Soi48」、山梨県一宮町(現笛吹市)で生まれたムーブメント「stillichimiya(スティルイチミヤ)」のメンバーで「空族」作品に監督・撮影などで参加するMMM(トリプルエム)さん、「ラップ・イン・プノンペン」に出演するほか、アジア圏のヒップホップアーティストの招聘(しょうへい)や普及活動をしているYOUNG-Gさんが中心となり、不定期でイベントを開き、アジアの音楽を紹介している。
今回のイベントを企画した樋口裕重子(ゆちこ)さんは、イベント施設「フォルツァ総曲輪」(現在休館中)の元スタッフで、県内各地で映画上映などを手掛け、LETTERでは美術教室「アトリエセーべー」を主宰する。
樋口さんは、「『フォルツァ総曲輪』で上映した映画『サウダーヂ』の舞台あいさつで『空族』と『stillichimiya』メンバーが登壇した時のことが印象に残っている。役者経験のない甲府の仲間たちと作った作品ということで、お客さんたちが興味深そうに話に耳を傾けていた。田我流(でんがりゅう、『空族』作品に出演するラッパー)が最後にフリースタイルラップを披露し、おじいちゃん、おばあちゃんたちがうれしそうに手拍子をしながら聴いていたことに未来を感じた」と振り返る。「映画でできることは映像を見るだけでなく、地方からさまざまな世界を見つめる大きな窓のような役割と、交流の場をつくることにもなると実感した」とも。
イベントは、8日は15時30分開場、16時より「映画 潜行一千里」上映、「空族」のトークと交流会、会場の大家の永森志希乃(しきの)さんによるタイ料理販売を行う。9日は11時開場、11時30分からタイ料理を販売し、永森さんが旅先で仕入れたタイ土産マーケットも同時開催する。13時からは「ラップ・イン・プノンペン」上映、「OMK」によるトークとDJ。
樋口さんは「面白い音楽の世界を肌で感じてもらえたら。DJが自分の足で歩きディグるように、音楽だけでなく興味を持っていることを追求することの喜びを確認し、楽しんでいってほしい」と笑顔を見せる。
チケットは8日=2,000円、9日=2,800円、2日通し=4,000円。予約と問い合わせはメール、電話(TEL 080-4254-3618)で受け付ける。