企画展「わたしはどこにいる? 道標(サイン)をめぐるアートとデザイン」が現在、「富山県美術館」(富山市木場町、TEL 076-431-2711)で開催されている。
人を目的地に導く目印である「サイン」は、駅や空港、商業施設、美術館などあらゆる場所に、標識や案内板、矢印やピクトグラム(絵文字、絵単語)といった形で存在する。そのサインに着目した同展では、グラフィックデザイナーらによるサインデザインのほか、場所との関係性を追究した現代美術作品を展示。人間がどのように場所や空間を把握し、伝えようとしてきたのかをたどり、人間の生き方と結び付いている「サイン=道しるべ」に迫る。会期中は美術館の外から館内各所に出張してきたサインを、マップを手に探して楽しむことができる。
同美術館のサイン計画を手掛けたグラフィックデザイナーの色部義昭さん、広告制作、ブックデザインを数多く手掛けるアートディレクターの葛西薫さん、グラフィックデザイナーの廣村正彰さんら国内外で活躍する7人の作家が出展。富山出身の田村友一郎さんをはじめ、康夏奈さん、秋山さやかさんら現代美術作家3人は富山で現地取材を行い、新作を発表している。
現在、JR新宿駅で工事現場の警備員として勤務する佐藤修悦さんは、ガムテープを縦横に張り巡らせ、角に丸みを付けた案内標識を作成。独自の字体が「修悦体」として称され話題を呼ぶ。同展ではJR日暮里駅構内の案内図を始め、同館2階のフロアマップや富山駅周辺の地図など富山オリジナルの案内板も展示している。
開館時間は9時30分~18時(入館は17時30分まで)。休館日は水曜(5月1日は除く)、3月22日、5月7日。観覧料は、一般=900円、大学生=450円、高校生以下無料。5月19日まで。