立山の麓に立地するコンビニエンスストア「立山サンダーバード」(立山町、TEL 076-483-3331)が、オリジナルグッズや富山の特産品を集めた土産コーナーを拡大した。
同店は店長代理の伊藤敬吾さんが考案した100種類近くに及ぶサンドイッチ、バーガー、おにぎりが人気。ホタルイカ、冷やし中華、おでん、肉まんといった四季折々のユニークな具材が話題となり、大手メディアに取り上げられ全国的に知られるようになった。富山の郷土料理「昆布締め」も手作りで、魚、山菜といった定番のほか、「A5ランクの岐阜産黒毛和牛」「豚キムチ」「スモークサーモンこうじ大根白菜」などの変わり種も新メニューとして開発する。
昨年12月ごろから店内のレイアウトを徐々に変更していき、商品の品ぞろえを充実させた。中でも絵心ある敬吾さんがデザインを手掛けたオリジナルグッズは、ポストカード、缶バッジから、Tシャツ、トレーナー、サコッシュ、トートバッグまで、さまざまなアイテムをそろえる。店名にちなんだ、雷鳥のかわいいモチーフをあしらったグッズは、若い登山客を中心に人気を集めている。
「富山のお土産」コーナーには、敬吾さんが県内各所の道の駅などで目利きした富山の特産品を並べる。昨年秋にデビューした富山米の新品種「富富富(ふふふ)」、氷見の「ひみつカレー」がメニュー開発に携わったジビエカレーのほか、ブラックラーメン、白エビのパイ菓子、「穴の谷(あなんたん)」地区のしょうゆなど幅広いラインアップで客を迎える。
「立山サンダーバード文庫」コーナーには、富山出身の小説家・山内マリコさんの著作、富山の日常を旅するガイド本「スピニー」、珍スポットライターのピストン藤井さんのミニコミ「郷土愛バカ一代!」など富山に縁のある本を陳列する。カップ麺コーナーには同銘柄でも関西版と関東版でだしの濃さが違う商品、県外のご当地カップ麺を多数取りそろえるほか、世界各地の珍しいたばこも豊富に用意する。
同店では敬吾さんの手作りフード以外にも、オーナーで父の敬一さんが育てた白菜を使った自家製漬物も販売中。敬一さんは「かつて朝鮮ニンジンを干そうとしたが、腐らせてしまった。でも成功しなかっただけで、失敗はしていない。今は自家製の干し柿に挑戦している。白い粉の出し方が難しく、うまくできるまでには20年はかかる」と話す。対して息子の敬吾さんは「まだ干し柿を作り始めたばかりで、あと20年もどうするのか心配。父の奮闘を見守っていきたい」と話す。朗らかな親子の掛け合いも店の魅力の一つだ。
営業時間は5時~20時。