学ぶ・知る

富山出身の作家・堀田善衛の生誕100年企画展 スタジオジブリの関連コーナーも

堀田が作詞した伏木中学校の歌

堀田が作詞した伏木中学校の歌

  •  

 高岡市出身の作家・堀田善衛の生誕100年を記念した展示「堀田善衛 世界の水平線を見つめて」が、「高志の国文学館」(富山市舟橋南町)で開催されている。

イベントのフライヤー

 スタジオジブリの宮崎駿監督が「最も影響を受けた作家」として挙げる堀田は、1918(大正7)年に高岡の港町・伏木の廻船問屋の三男として生まれる。伏木は日本海側の主要国際港であり、堀田は幼少期から海外の文化に触れる機会が多かった。1942(昭和17)年には慶応義塾大学文学部・仏蘭西文学科を卒業し、国際文化振興会に就職。第二次世界大戦末期に中国・上海に派遣され、同地で終戦を迎えた。帰国後、本格的な作家活動を開始し、1952(昭和27)年に「広場の孤独」「漢奸(かんかん)」で芥川賞を受賞した。

[広告]

 世界各地を訪ね歩き、グローバルな活動を繰り広げていった堀田は、1959(昭和34)年には「アジア・アフリカ作家会議日本協議会」の事務長に就任。「インドで考えたこと」「ゴヤ」といった数多くの傑作を通して、複眼的な視点で世界を見つめ続けることの必要性を説いた。1998年、80歳で没。

 今回の企画展ではリアリストとしての歌人・鴨長明の人物像に迫る代表作「方丈記私記」などの直筆原稿、取材旅行に訪れたアジア各国の貴重写真などを堀田の言葉と共に展示。移住先のスペインでの暮らしも紹介する。宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーなど、スタジオジブリと堀田との深い交流がうかがえる特別コーナーも設ける。アニメ化が実現しなかった「路上の人」の宮崎吾朗監督による絵コンテ、イメージボードを初公開する。

 関連イベントとして11月17日に、作家・高橋源一郎さんによる講演会「堀田善衞をはじめて読むあなたへ」が行われるほか、宮崎駿監督、作家の池澤夏樹さんらにインタビューを施したドキュメント「水平線と羅針盤 堀田善衞のメッセージ」、宮崎監督作「風の谷のナウシカ」の上映会なども催される。

 開館時間は9時30分~18時。火曜、11月26日休館。観覧料は、一般=500円、大学生=250円。12月17日まで。