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富山で漫画家・里中満智子さんの企画展 貴重な直筆原稿300点

名ぜりふと共に貴重な原画を紹介

名ぜりふと共に貴重な原画を紹介

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 日本を代表する漫画家・里中満智子さんの企画展「里中満智子『愛』のテーゼ」が現在、「高志の国文学館」(富山市舟橋南町)で開催されている。

「あすなろ坂」の顔はめパネル

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 1948(昭和23)年、大阪市生まれの里中さんは高校2年生の時に、「ピアの肖像」で第1回「講談社新人漫画賞」を受賞しプロデビュー。「アリエスの乙女たち」「海のオーロラ」「あすなろ坂」といった数多くの恋愛漫画をヒットさせ、これまで50年以上にわたって約500作もの作品を手掛けてきた。古典文学や歴史にも造詣が深いことで知られ、持統天皇を主人公にした「天上の虹~持統天皇物語」は32年かけて完結した大作となった。現在は、日本最古の歌集「万葉集」の編さんに関わった歌人で、富山の国守・大伴家持の生涯を追った「言霊の人・大伴家持」の執筆に取り組んでいる。

 今回の企画展では、里中さんが作品の中で描き続けた「愛」をテーマに掲げる。時代に翻弄(ほんろう)されながらも愛を貫こうとする女性たちの生きざまを、約300点の直筆原稿を通して映し出す。デビュー前のオリジナル漫画や「天上の虹」の緻密な原画、手書きのプロット、雑誌の付録などが展示されるほか、コーナーごとに代表作の名ぜりふを紹介。里中さん本人の撮りおろしインタビュー映像も用意される。会場内は全て撮影可能で、「あすなろ坂」の顔はめパネルなどの撮影スポットも人気を集めている。9月12日からの後期展では、カラー原稿の展示内容が一新される。

 展示初日には里中さんが来館し、オープニングセレモニーとして、大伴家持を題材にしたライブペインティングを行った。「万葉集の愛の形」と題した記念講演では、万葉集に詠まれた歌の世界と、現代に共通する愛の在り方について解説した。今後の関連企画として8月19日に、漫画研究者のヤマダトモコさんによるトークショーが行われる。

 開館時間は9時30分~18時。火曜休館。観覧料は、一般=500円、大学生=250円。10月8日まで。

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