富山市中心市街にあるイタリアンレストラン「CIBO」(富山市南田町1)で6月2日・3日、仏映画特集「ドゥミとヴァルダ、幸福(しあわせ)についての5つの物語」が開催される。
ジャック・ドゥミは「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」などを手掛け、「ロマンチックな詩人」と称される「ヌーベルバーグ」(1950~60年代に仏映画界で若手監督が台頭し自由で実験的な作品が作られていった潮流)の代表的な存在。その妻のアニエス・ヴァルダさんは女性映画監督の第一人者であり、90歳になる現在も旺盛に活動をしている。
今回の特集では、夫妻が手掛けた「ローラ」「天使の入江」「ジャック・ドゥミの少年期」「5時から7時までのクレオ」「幸福」の5作をデジタル・リマスターで上映。
同店店主の森隆太郎さんは、映画館「フォルツァ総曲輪」(現在休館中)で「ジャック・タチ映画祭」を企画した経験を持つ。射水市の文化施設「LETTER」(射水市戸破)などで映画上映を行う樋口裕重子(ゆちこ)さん、富山市中心街のシアターカフェ「HOTORI×ほとり座」(富山市中央通り1)の田辺和寛さんの協力を仰ぎ、今回の上映にこぎ着けた。
森さんは「昨年から全国各地でこの特集上映が開催されていて、ずっと見たかった映画がついに富山で、ましてやCIBOで上映できるなんて夢のよう。2日間限定で通常のレストラン営業から離れ、CIBOが映画館となる。モノクロームの作品が主だがその分想像力が働き、ストーリーに移入できる。暗がりの中で、スクリーンに放つ光と物語を味わう映画体験を皆さんと共有できれば」と話す。
上映期間中は、同店2階のレストランフロアを上映室として使用。映画館の売店をイメージして、普段は総菜やパンが並ぶ1階のスペースでは、飲み物や軽食を提供。「古本ブックエンド」(総曲輪2)がセレクトした映画関連書籍の販売も予定している。同店での上映終了後は、「HOTORI×ほとり座」で6月8日までアンコール上映も行う。
上映時間は10時30分~。鑑賞料は、1作品=1,600円、5作品セット券=5,000円。セット券は「HOTORI×ほとり座」での上映でも利用可。チケットは「CIBO」「HOTORI×ほとり座」で販売中。