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富山のライターが地元ガイド本「スピニー」 「トースト標本」と同時刊行

開くと表紙が山になる「スピニー」

開くと表紙が山になる「スピニー」

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 富山市在住の編集者・ライターの居場梓さんが、ライターの高井友紀子さんと共に手掛けたリトルプレス「スピニー」(750円)を、6月3日に開催されたブックイベント「BOOKDAYとやま」で初リリースした。

よしもとさんによる「トースト標本」

 東京で雑誌編集者として経験を積んだ後、2005年に富山へと帰郷した居場さんは、地元情報誌の編集部を経て2013年ごろからフリーで活躍。仕事の一環で富山市内の街ネタを集めていく中で、歴史ある建物や近隣住人の憩いの場、昔ながらの純喫茶が、再開発によって失われていくことに違和感を抱くようになったという。

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「古くから存在し続けるがゆえに、人々が素通りしてしまう建物こそが富山の財産。県民が見落としてしまう富山の日常こそが、魅力的な観光資源だと思った」と話す居場さん。「富山には何もないと嘆く人たちに、そうではないことを伝えたい」という思いから、元・同僚の高井さんに声をかけ、富山の日常を旅するガイド本の発刊に至った。いろいろな人たちを富山の魅力に「巻き込む」=「スピンする」という願いを込めて、「スピニー」というタイトルを冠した。

 創刊号では「富山電気ビルデイング」、喫茶店「メルカード」といった、富山駅から徒歩15分圏内にある観光スポット・土産店を紹介する。

 大事な記念日には、必ず電気ビルのレストランを利用してきたという居場さんは、「富山大空襲によって富山市内には古い建物がほぼ残ってないが、1936(昭和11)年に完成した電気ビルは奇跡的に戦火をくぐり抜けた。建材に使われた当時の石や左官技能士の技術などは、今に再現しようとしても難しい。貴重な歴史建造物であることを知ってほしい」と話す。

 アーティスト・よしもとかよさんの著作「トースト標本」(750円)も同時刊行。よしもとさんが、イタリア料理店「CIBO」のブログ内で公表してきた52のトーストアレンジに、3つの新作を加えた55作を写真と書き下ろしエッセイでつづる。

 よしもとさんとのコラボ作に関し、居場さんは「ブログを初めて見た時、何気ない食事『トースト』をさまざまにアレンジし、日常に彩りをもたらしていることに感動した。ちゃんと紙媒体で残さねばと思い、よしもとさんに声を掛けた」と話す。

 2冊共に「古本ブックエンド」(富山市総曲輪)、「ひらすま書房」(射水市戸波)で販売。その他の取扱店はフェイスブックで確認できる。