「砺波市美術館」(砺波市高道)の2階市民ギャラリーで現在、「至高の精神展『土のよはく』」が開催されている。
富山県内の現代美術作家を紹介する同展は、同美術館が年に1回行っている恒例企画。18回目となる今年は、上市町で作陶する野村瑞穂さんの新作・近作のオブジェを18点展示する。
野村さんは上市町生まれ。京都市立芸術大学で「走泥社(そうでいしゃ)」の創立メンバーである鈴木治教授に師事し、オブジェの制作を始めた。「走泥社」は戦後の京都に誕生した美術家集団で、用途があることが当たり前だった陶芸に「観る」という新しい世界を与え、オブジェの存在を確立。野村さんは鈴木教授の作風に影響を受けているという。
これまで身体や動物をモチーフに制作してきたが、新作は器や道具など用途のあるものからイメージを広げた。「器や道具は使うものなので、美術品として成立するには足りない部分があるように感じる」と野村さん。足りないと感じる余白の部分と用途のあるものが持つ魅力を、新作のオブジェに表現しているという。
美術作品の中でも難しく考えられがちなオブジェに対し「いつもユーモアのある部分を作品に入れたいと思っている」とも。
2月12日10時~15時には、同館2階の市民アトリエで公開制作を行う。手びねりの技法で、ひも状の陶土を重ねながら少しずつ形にする様子が見られる。
開館時間は10時~18時。入場無料。2月26日まで。2月20日は休館。