富山県内のJR、あいの風とやま鉄道の各主要駅で1月10日、機関車の車輪滑り止め用の砂が入ったお守り「すべらサンド」と縁起物の「昆布」が、受験生や受験生を持つ家族に手渡された。
JR西日本と北陸銀行のタイアップ企画として、受験シーズンが本格化する時期に毎年実施されている同企画は今年で16年目。「すべらサンド」は、機関車の車輪とレールの間にまくことで空転(スリップ)を防ぐ滑り止めとして使う砂。「志望校に滑らないように」という願いを込め、「合格祈願」とデザインされたポチ袋に収め、学問の神様・菅原道真公を祭る高岡関野神社でおはらいを受けて約2500個を用意した。
富山の食卓に欠かせない食材・昆布も、「よろこぶ」に通じることから縁起が良いとされている。駅弁「ますのすし」を製造・販売する「源」が、昆布と「ますのすし」と掛けて「ますます喜ぶように」というメッセージを込めたオリジナルパッケージの「とろろ昆布」を用意した。
配布開始となった同日の朝7時30分、北陸新幹線の乗降車駅である新高岡駅では、受験を控える親や祖父母30人ほどが改札口前に並んだ。高岡市在住の主婦は「今年は長男が高校受験なので、是が非でもお守りをもらいたいと考えていた。無事にもらえることができたので安心して家に帰れる。縁起物の昆布も頂くことができ、うれしかった」と話す。
富山駅でお守りを手にした県内高校に通う男子生徒は「普段は電車通学ではないが、お守りをもらいたくて家族に車で駅まで送ってもらった。心の支えになるので今週末のセンター試験に必ず持参したい」とも。
新高岡駅の辰巳駅長は「電車の乗降以外でも、こうして多くの方に駅に足を運んでいただけたことがうれしい。引き続き、受験生や受験生を持つ家族の皆さまを応援していきたい」と話す。
当日は富山駅・高岡駅・魚津駅に、願い札を掛ける「希望の桜」も設置され、お守りや昆布と共に受験シーズンの到来を盛り上げた。願い札が掛けられた「希望の桜」は、今月末に高岡関野神社に奉納される。問い合わせはJR西日本 富山駅(TEL 076-431-7351)まで。