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富山・南砺の「天竺温泉の郷」、施設存続に向けCFで支援呼びかけ

海抜800メートルの秘湯「天竺温泉」

海抜800メートルの秘湯「天竺温泉」

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 南砺市利賀村の「天空の秘湯の宿 天竺(てんじく)温泉の郷」が現在、施設存続のためのクラウドファンディングで支援を呼びかけている。

豪雪地域のため冬場は屋根上から除雪することも

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 1000メートル級の山々に囲まれた利賀村は、トレッキング、キャンプ、岩魚釣りなどのアウトドアレジャーを楽しめるスポットが多い。演劇集団「SCOT(スコット)」による演劇祭、「南砺利賀そば祭り」などの人気イベントも開かれることから、これまで多くの観光客が利賀に訪れてきた。

 同所唯一の温浴施設である「天竺温泉の郷」は、金剛堂山の麓、地下1100メートルから湧き出た源泉を使い、ヒノキの香りが漂う大浴場と自然を楽しめる露天風呂が特徴。「利賀ファーム」が栽培した手打ちそば、地元の山菜、岩魚、ジビエ、利賀豆腐を用いた郷土料理も提供している。

 県内外からの観光客をはじめ、地元の住民がお湯入りや法事などで頻繁に利用してきた同施設だが、コロナ禍により集客が減少。管理する一般財団法人「利賀ふるさと財団」の野田史さんによると、2020年は経費削減で乗り越えたものの、翌年はコロナ禍の第5・第6波に加え、大雪の長期化により雪対策費用・光熱費が膨れ上がってしまったという。

 毎年3メートル級の積雪を記録するエリアに位置する同施設では、一晩で建物ごと雪に埋もれ、重機を用いて入り口を探すことも珍しくないという。冬期は閉館することも考えたというが、温浴施設は地域住民の生活基盤であるため、厳しい運営状況ながら冬期営業を続けている。野田さんは「今年も大雪だと冬を越せず、利賀ふるさと財団と温浴施設がなくなってしまう」と訴える。

 クラウドファンディングは1月30日23時まで行う。支援金は大雪の除雪費や修繕費、光熱費などに充てる予定。返礼品は「秘境の宿・応援団」の登録権や利賀ファームで作られた「利賀そばパスタ」、雪解け水で作られた「利賀村天空米」を用意する。

 野田さんは「天竺温泉の郷は観光客のみならず地元にとっても欠かせないので、必ず存続させないといけない。厳しい冬を乗り越えたら、近隣施設の『桜ヶ池クアガーデン』でも実施している、気候療法ウオーキングイベントの開催も視野に入れている。一人でも多くの方々に協力していただければ」と呼びかける。

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