「インド料理 クシ」(高岡市六家)は12月より、南インド料理のメニューを提供している。
インド東部のベンガル地方、ラニサイ出身のシェーク・アジャドさんがオーナーシェフを務める同店。常連客からは「アジャさん」と親しまれ、店名の「クシ」はヒンディー語で「幸せ」を意味する。
インド南部で修業した後、マレーシアで5年勤務、10年前に来日したアジャドさん。富山県内のインド料理店での勤務を経て、2014年2月に独立し同店を立ち上げた。
店では出身地・ベンガル地方の東インド料理を中心に、1年前より勤務歴の長かった南インドの料理を週末限定メニューとして提供していた。地元のカレーファンからは「フィッシュマスター」と呼ばれ、富山県産の新鮮な海産物を使った料理も注目を集めている。
南インドは稲作が盛んで、米を主食とする。カレーには小麦粉やバターを使わず、ココナツオイル、マスタードオイルなど使われ、スープのようにサラサラで油が控えめのあっさりとした味が特徴だ。菜食主義者が多く、具には豆や野菜を多く使われるが、海に面している地域も多いことから、魚介類も多く食べられている。
富山県では、ナンやロティなどの小麦を主食とするパキスタン・北インド系の料理が充実し、近年では射水とパキスタンを掛け合わせた「イミズスタン」という言葉も生まれた。インド料理というと北インド料理の印象が強く、南インド料理を出す店は少ないという。
アジャドさんは「日本ではポピュラーな北インド料理を中心とした従来のメニューから、胃もたれがしにくいヘルシーな南インド料理と東インド料理を充実させていきたい」との思いから、南インド料理の充実に向け11月下旬にインドへ一時帰国。「カルパシ」「カレーリーフ」など、さまざまなスパイスを現地調達。
現在、南インドのクレープ「ドーサ」をはじめ、魚を使った「ミーンコロンボ」、ケララ風のエビカレーの「ケララえび」などサラダ、ドリンクも付いた南インドのカレーセット(各1,600円)を用意。来年1月2日からは、南インドの定食セットの「ミールス」(1,300円)も新たに提供する。
ミールスは酸味が強いスープ「ラッサム」、豆をベースとした野菜のお吸い物の「サンバル」と薬味のヨーグルトをチキンや野菜などのカレーをご飯と混ぜながら食べるというもの。注文を受けてから手作りで一つ一つ作り、できたてのものを提供する。
アジャドさんは「日本で手に入りにくいスパイスも導入し、より本格的な料理を提供していきたい」と意気込む。
営業時間は、ランチ=11時~15時、ディナー=17時~21時30分。月曜定休。