「ピース食堂」(富山市新庄町)が12月28日、閉店する。
店主の吉野文代さんが2013年5月にオープンした同店。店頭では手作り総菜も販売する。
岐阜県出身の吉野さんは約30年前、結婚を機に富山に移住し、総菜店などで働きながら調理師免許を取得。知り合いから現在の店舗を紹介され、念願だった自分の店を持った。「家族の『おいしい』という言葉があったからできたこと」と吉野さん。
店では義母に習った富山の食材を使った家庭的な料理を中心に提供。手作りのやさしい味わいが人気を呼んだ。
新潟出身の客から注文を受け作ったという「タレかつ丼」は、いつしか同店の看板メニューになった。ヒレかつを揚げ甘辛ダレで浸し、味卵を載せた同メニューを目当てに足を運ぶ客も多かったという。
吉野さんは「これまでたくさんのお客さまにご愛顧いただき感謝している。店は閉店するが、今後は今とは少し異なるスタイルでの営業ができれば。タレかつをもっと知ってほしいという思いもあり、少し休んでじっくりと今後の展開を考えるつもり」と話す。
12月19日から感謝の気持ちを込めて、イートインで食事をした人に限り、通常130円のみそ汁を無料で提供する。
「ピースという名前を残しながら、またこの厨房から新しいものを発信していければ。イベントなどにも出店してみたい」と意欲を見せる。
営業時間は11時30分~15時。土曜・日曜・祝日定休。