魚津市にあるギャラリー「UPEPO(ウペポ)」(魚津市蛇田、TEL 0765-31-6733)で11月13日、「パパとチコのスペシャルライブ」が行われる。
県内外で活躍するミュージシャンChikoさんと、パーカッション・キーボード奏者の父・B.B.モフランさん、富山のパーカッショニストのヤマダベンさんの3人編成で行われる同ライブ。アフリカの伝統音楽をはじめ、スタンダードなジャズなどさまざまな演奏を予定する。
コンゴ出身のB.B.モフランさんと人形作家の母・松本昌子さんとの間に生まれたChikoさん。2人は1983年に行われた「渡部貞夫バンド」の富山公演で来日した際に出会ったのがきっかけで結婚したという。
日常に音楽のある生活を送ってきたChikoさんだが、当時はハーフというコンプレックスを抱え、自信も持てない日々を過ごしていたという。高校生のころ、進路選択で「自分はこれから何をして生きていこう」と真剣に考え、「なくした自信を取り戻したい。思いきって歌を歌ってみよう」と決意した。18歳で東京の音楽学校へ進学し、20歳で富山へ帰郷。23歳で初のステージを踏んだ。
東京ではバンド編成で活動していたが、富山では同年代の音楽仲間が見つからず、ピアノコードを勉強して現在の弾き語りスタイルを確立していった。
2014年、Chikoさん家族が昔住んでいたという一軒家を同ギャラリーに改装。自身のライブと昌子さんの作品展のための空間をつくり上げた。
「一番尊敬するのは母と父。母と共に作った作品で、父とも何かやりたいなとずっと思っていた」とChikoさん。「父はアフリカの伝統的な音楽をベースに曲作りをしていて、私にはよく曲のルーツを話してくれた。父の話を聞いているうちに、自分の中のコンプレックスは徐々に『自分の中の大事なもの』に変わっていった。今なら父と同じ気持ちでライブができるのではと思った」と経緯を振り返る。
「アフリカのイメージは病気や動物、飢餓の国といったマイナスのイメージがすごくあった。それは外国人が『日本にはまだ侍がいる』というような間違ったイメージを抱くのと同じこと。その国を知り、それぞれのいいところを見つけることが大事だと思った。アフリカのいいところを知ってもらうために、音楽を通して発信していきたい」とも。
Chikoさんは「アフリカ音楽というのはすごくシンプルなもの。日本ほど物が多いわけではないし、裕福な人が多いわけでもない。そのシンプルさが私たちに何かを思い出させてくれる。初めて聞くのにどこか懐かしい感じの演奏、ステージになるはず。本物のアフリカンパーカッションのリズムを楽しみにしてほしい」と話す。
14時開場、15時開演。料金は3,000円(1ドリンク付き)。