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富山の文化発信地「フォルツァ総曲輪」休館 最後の上映日に200人以上来場

「バベットの晩餐会」をイメージした晩餐会

「バベットの晩餐会」をイメージした晩餐会

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 富山唯一のミニシアターであり、ライブホール、カルチャーセンターとしても機能していた「フォルツァ総曲輪」(富山市総曲輪3、TEL 076-493-8815)が、9月30日をもって休館となった。

地元CM曲の替え歌で「フォルツァ KEEP ON!」と叫ぶピストン楽団

 約9年7カ月にわたり、街中の文化の発信地として存在感を発揮してきた同館。9月22日には、人気投票で第1位を獲得した安藤サクラさん主演作「百円の恋」を最後の上映とし、休館を惜しむ200人以上の人々が足を運んだ。

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 同日にはコラボ企画として、映画「バベットの晩餐(ばんさん)会」の料理シーンの一部を再現した「フォルツァ総曲輪の思い出を語る夕べ」も開催。館長の室伏昌子さんが同作のデジタルリマスター化を受けて発案し、富山の食文化を研究する10の料理店が集まって作る「コパンの会」の協力を得て実現にこぎ着けた。

 「バベットの晩餐会」鑑賞後、作中で描かれた晩餐会の様子をイメージした食事会に参加した44人は、「干しタラのビール煮」「ウズラのロースト」などのクラシックなフランス料理や、ピアノと歌の独唱を楽しんだ。フリーアナウンサーの垣田文子さんと室伏さんとのトークショーでは、フォルツァのこれまでの上映作を振り返り、同館を訪れた監督や俳優たちとの貴重なエピソードを披露した。

 同企画の実行委員会である島倉和幸さんは「いったん休館となる同館の締めくくりにふさわしいイベントを運営できて感無量。料理を召し上がった出席者の方々の笑顔は忘れられない」と話す。

 翌23日にはライブホールで、富山在住の珍スポットライター、ピストン藤井さん主催の音楽イベント「FUJII ROCK FES 2016秋 見切り発車の郷土愛リサイタル」を開催。CM曲やスーパーのテーマ曲といったご当地ソングのライブ演奏をメインに、「のど自慢」やイントロクイズなどユニークなステージを繰り広げた。

 ロビーでは水橋の「日本海食堂」が収集したレトロ品を展示した「ポンコツ秘宝館」や、白玉粉で豚の鼻をあしらったスープ・パンの販売、ピストンさんの実母が手製の総菜を振る舞う「ピストン明美のコンパクトデリ」などを展開。その場でTシャツに特製ロゴを刷るライブ・シルクスクリーンのブースも設けられ、100人以上の人々でにぎわった。

 主催のピストンさんは「フォルツァはくだらない企画を受け入れてくれる、懐の大きな文化発信地だった。閉館と思っている人は多いがあくまで『休館』。しっかりとメンテナンスをして、新たな市民の居場所として復活してほしい」と話す。

 25日には同館が主催する最後のイベント「フォルツァ文化祭2016」が開かれた。カルチャー教室「スコーラ・フォルツァ」に通っていた生徒たちによるベリーダンスのほか、フラメンコの披露、写真などを展示。新生フォルツァに向けた休館に花を添えた。