手の自由を失った人々がハンディを乗り越え、口や足に絵筆をとって描いた絵画を展示する「絵画展 口と足で表現する世界の芸術家たち」が6月24日、富山県民会館(富山市新総曲輪4丁目)地下1階展示室で開催される。
同絵画展は1991年からスタートし、今年で25周年を迎えた。これまで開催した250回の総来場者数は70万人を超える。富山市での開催は2006年以来、10年ぶり5回目。世界15の国と地域から合計38人の画家の作品を50点展示する。
主催の三菱電機ビルテクノサービス金安弘明さんは「今回の見どころは、なんといっても出展画家の南栄一さんによる実演。間近で体験できる機会はそうそうない。会場まで足を運んでいただきたい」と話す。
今回実演を担当する画家、南栄一さんは1955(昭和30)年長野県生まれ。18歳の時に柔道の試合中の事故が原因で四肢まひとなり、その4年後に口に筆をとり水彩画や油絵の技術を習得。1979(昭和59)年から口と足で描く芸術家協会に所属し、数々の作品を世に送り出している。2000年にはリヒテンシュタイン公国の切手の絵柄に採用された。
金安さんは「絵画展を通して、口と足で描く芸術家の方々の自立に少しでもお役に立てるよう、そしてご鑑賞いただいた富山市民とハンディキャップを持つ方々との懸け橋の一助になることを願って活動している。大きなサイズの絵画を多数展示しているので、迫力ある作品を会場で見てもらいたい」と呼び掛ける。
開催時間は10時~18時。南さんの実演は24日・25日の11時~16時30分(予定)。入場無料。今月26日まで。