富山市民プラザ(富山市大手町)で4月16日、「2016HCC賞公開審査」が行われた。
北陸三県で活躍するコピーライターでつくる「北陸コピーライターズクラブ(HCC)」が主催する同審査会では、過去1年の間に制作された広告コピーを一堂にそろえ審査するもの。
1981(昭和56)年に「富山コピーライターズクラブ」として発足し29年目を迎える同クラブ。3年前、富山・金沢・福井の3県が統合し「北陸コピーライターズクラブ」と名称を改めた。現在会員数は22人。
今年は172点の応募があり、同クラブに所属する20人の会員投票で審査が行われた。グランプリは大久保浩秀さん、土用下史宏さんの手掛けた「KEIZ富山田中店TVCM」(平成観光)。「HCC賞」には、宮保真さんの「研声舎公演ポスター」(研声舎)、盛田真介さんの「出張相談会会場用ポスター」(スプリングライフ金沢・ひなた駅西)、上野賀永子さんの「幅一〇六センチで、テイクオフ。」ほか(タカモノプロジェクト)、城川雄大さんの「おばあちゃんの手が、世界の心をつかむ。」(富山・ミラノデザイン交流倶楽部)など10点が選ばれた。
特別審査員の高崎卓馬さん(電通)が選ぶ「HCC特別賞」は、盛田真介さんの「北海道大物産展」(めいてつ・エムザ)、石井陽一さんの「やらされる仕事はつらい、やりたい仕事はつづく。」(松村精型)の2点が受賞した。
高崎さんは「リアルタイムで北陸の広告を見たことがなく、地元や人の評価など全く情報にない純粋な状態で審査した。出展数は少ないが、どれもクオリティーの高いものばかり。土地が元気だなということがわかる作品が多く、北陸の空気そのものが上向きな状態だということが感じられた。クリエーターにとっては自由に作品が作れるいい環境が整っていると思う」と会員たちにエールを送った。
グランプリを受賞した大久保さんは「嘘をつかない、大げさな表現をしない広告作りが根底にある。CMはお茶の間で見てもらうものなので、日常を実写化する内容で誰でも分かりやすい表現を目指した」と振り返り、土用下さんは「HCC入会以来、初めてグランプリを獲得できた。今までにない試みで挑戦したCMが評価されたことをうれしく思う」と話す。
北陸コピーライターズクラブ会長の宮保さんは「HCCになって今年で3年目。今回は、言葉でクライアントや商品の新しい魅力を発見しようとしている広告作品が多く見られる傾向にあった。コピーライターという仕事はまだ認知度としては決して高くはない。人の目に留まるような広告をたくさん世に出し、言葉で課題解決に取り組む仕事だということをもっと多くの人に知ってもらいたい。全国に通用するクオリティーの高い広告を今後も作っていきたい」と意気込みを見せる。