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富山で地元出身監督の作品上映 カニバリズム描く異色作、トーク企画も

人肉料理を食卓に出す母親の歪んだ愛とは

人肉料理を食卓に出す母親の歪んだ愛とは

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 富山市の「フォルツァ総曲輪」(富山市総曲輪3、TEL 076-493-8815)で3月19日から、富山県出身の映画監督・中村研太郎さん監督の映画「フリーキッチン」が公開される。

ペットショップで働くカナに恋心を抱くミツオ

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 同作品は、「僕の小規模な生活」「うちの妻ってどうでしょう?」「就職難!!ゾンビ取りガール」などで知られる漫画家・福満しげゆきさんのデビュー短編漫画「娘味」を実写化したカニバリズム映画。

 幼いころに父とその愛人を「料理して」(殺して)以来、日常的に人間を捕まえ人肉料理を食卓に出すようになった母と暮らす高校生・ミツオを主人公に、さまざまな葛藤や純愛を経験していくというホラーともコメディーともいえないタッチで淡々と描いた異色作。国内外の映画祭でも高い評価を得ており、現在全国シネマで順次公開されている。

 メガホンを取ったのは、同作品が劇場デビュー作となる富山出身の中村監督。撮影は「極道大戦争」「映画 みんな!エスパーだよ!」などを手掛けた神田創さんが担当。

 ミツオ役を演じるのは、「ミュージカルテニスの王子様 青学VS山吹」の千石清純役で人気を博した森田桐矢さん。ミツオが引かれるカナ役を大貫真代さん、母親役を元劇団毛皮族の延増静美さんが演じる。

 中村監督は「原作『娘味』はカニバリズムをベースにした突拍子も無いグロテスクなテーマにもかかわらず、おかしみも混在する不思議な作品。脚本を書く際、自分が最初に原作を読んで感じた怖さと面白さが伝わるよう、シンプルに作ることに徹した。ホラー映画のような音楽や大げさな効果音などの演出は極力排除し、母親と息子の異常な日常をどこにでもある日常の生活としてできるだけ描いている」と話す。

 現在、地元である高岡市に在住しており、「今後は地元富山で作品作りを続けていければ」と意欲を見せる。

 作品を見た俳優の斉藤工さんは「恐ろしくて愛らしい…なんだこの感覚は! 非常な日常のリアリティーが巧みに描かれている。ああ、もうお肉食べれない…」(原文ママ)とコメント。

 原作者の福満しげゆきさんは「原作のイメージの再現率の高さはなんだ!!」と驚いたといい、「原作の矛盾や荒いところをカチッと完璧に埋めてくれた。変な原作を完璧に映画化してくれるこの監督は何を考えているんだ」と絶賛している。

 20日は19時30分より監督自ら映画の解説をするトークショーも行われる予定。上映は25日まで。

 上映時間はフォルツァ総曲輪のサイトを参照。

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