富山・南砺市のご当地怪獣「デデレコデン」が、昨年12月にインターネット上で行われた「ご当地怪獣総選挙」で見事1位に選ばれた。
南砺市役所・福野庁舎3階のエコビレッジ推進課に展示中のデデレコデンレプリカとグッズ
ご当地怪獣とは都内の広告代理店によるプロジェクトで、特撮ドラマで活躍する特殊造形作家と脚本家がタッグを組み、各都道府県の特性を反映させた52体の怪獣を作成。ゆるキャラと同様に、地域をPRするマスコットとして注目を浴びている。
デデレコデンは胴体が世界遺産である五箇山の「合掌造り」、頭部と尾が民謡「コキリコ節」の楽器「ささら」という斬新なフォルム。五箇山に生息し、五穀豊穣(ほうじょう)を祝う人間の祭りを見ることが好きな温厚な性格だったが、人間が環境破壊するようになったことで凶暴化。自然を敬わなくなった人間を、口から発射する「ささら超音波」でこらしめるようになったという設定だ。
今回の総選挙では42体のご当地怪獣が参戦し、地域に貢献するべく緑化資金を募った。デデレコデンは26人から最高額となる5万4,000円の支援を受けて1位を獲得。この資金は、合掌造りの屋根の葦替えに用いる茅場の維持・再生に生かされる。ほかにもスマートフォンのゲーム・キャラクターにデデレコデンが採用される予定で、缶バッジ、クッション、フィギュアなどのグッズの売れ行きにも期待が持てそうだ。
1月24日には東京で初の「ご当地怪獣サミット」が開催。参加した南砺市の田中市長は、今後の展開について「コンシェルジュとして、デデレコデンが国内外の観光客を案内するエコツアーの企画も予定している」と意欲を見せる。南砺市職員の浅田さんは「今回の総選挙で1位になったことで、市内外の問い合わせや取材依頼が大幅に増えた。デデレコデンを通して五箇山を全国的にPRできたこと、子どもからお年寄りまで幅広くファンが増えたことで、地元がより元気でにぎやかになった。まだまだデデレコデンの認知度は低いので、さらなる応援をお願いしたい」と話す。