富山の独立系音楽レーベル「TOKEI RECORDS(トケイレコーズ)」が、8月11日に「Role(ロール)」と「Oavette(オーベット)」の2枚組スプリットアルバム「28|29」を発売した。
オーベットのメンバー、左からギター・西川さん、為井さん、ドラム・太田さん、ベース・森さん
ロールは2012(平成24)年に金沢で結成。3本のギターを用いた重厚感のあるサウンドは「叙情・激情系ハードコア」と形容され、国内外の音楽ファンから支持されている。
オーベットは2012年に名古屋で結成。2本のギター、ベース、ドラムのインストゥルメンタル・ロックバンドで、緻密な音の反復と、異なるリズムが同時に演奏されるポリリズムという手法を用いた楽曲が特徴。2019(平成31)年にトケイレコーズからEP「Oavette」を発売している。
オーベットのギター・作曲担当で富山市出身の為井悠男(ゆうと)さんは、前作の発売後にドイツへ引っ越したため、日本にいるメンバーとのウェブ会議を経て、録音以外の制作を行ったという。「制作途中でコロナ禍に突入し、帰国してもこれまで当たり前に行っていたライブをできるイメージが湧かなかった。それならば今後やらないようなことをしようと考えた」と、アルバム発売のきっかけを話す。
為井さんとドラムの太田隼人さん、ロールのギター・森本順喜さんは、過去に同じバンドのメンバーとして活動を共にしている。為井さんは「気心の知れた15年来の友人で、以前から一緒に何かしたいと話をしていた。あまり明るいニュースがない中で、未来へ向け楽しいことができればと思った。自分の好きなスプリット作品にはジャンルが違うバンドの組み合わせが多く、EP集やCDカタログの形をイメージした」と話す。
アルバムは2枚組で、各バンド4曲ずつ収録する。先行公開したオーベットの収録曲「NEUS」のミュージックビデオは、海外の再生回数が8割を超えるという。
為井さんは「全曲クリーンなギター2本とアップライトベース、ドラムだけで録音しており、音の疎密や響きを工夫している。単調で派手さはないが、繰り返し聴いても飽きないような音を目指した。作業中に聴き流す感じでも構わないので、一部分でも面白いと思ってもらえたら。これまで愛知を中心に活動していたが、今後はロールを見習って海外にも積極的に発信していきたい。コロナ禍が落ち着いたら、ライブにも足を運んでほしい」と話す。
アルバムの価格は2,200円。トケイレコーズのオンラインストアで販売。