世界的に有名なカリプソ歌手の半生を追ったドキュメンタリー映画「カリプソ・ローズ」が7月24日から、富山市中心部のミニシアター「ほとり座」（富山市総曲輪、TEL 076-422-0821）で上映される。

映画のフライヤー

　同作は現在も世界を飛び回り活躍する歌手カリプソ・ローズさんの70歳を記念し、2011年に公開された。

　カリプソは、カリブ海最南端の国トリニダード・トバゴで生まれた大衆音楽で、レゲエやヒップホップのルーツとされる。同作では1940年、トバゴ島に牧師の娘として生まれたローズさんが、男性中心の音楽業界でカリプソ歌手を志していく過程を、カリプソ・キングことマイティー・スパロウさんらとのライブ映像やローズさん本人の語りでつづる。自国だけでなくパリやニューヨークで音楽の旅を続けるローズさんの姿を通し、カリプソという音楽が果たしてきた社会的役割、カーニバル文化の重要性、各国へ渡ったアフロ・カリビアンたちの生き方も浮き彫りにする。

　宣伝担当の村雲恵美子さんによると、同作は単なる音楽映画にとどまらず、人生そのものを考える作品になっているという。闘病、女性差別、性的暴行といった苦難や、奴隷としてトバゴに連れてこられた祖母の故郷・西アフリカへの回帰などが赤裸々に語られる。「ローズは過酷な人生を送りながらも、苦難を乗り越え数々の功労と地位を築き上げてきた。『みんなを幸せにすることに自分をささげたい』と歌い続ける彼女の圧倒的な存在感、魂を揺さぶる本物の強さを感じてほしい」と話す。

　上映スケジュール、鑑賞料は「ほとり座」ホームページで確認できる。今月30日まで。8月7日～20日まで高岡「DaFriends×Hotoriza」で上映。