アジア各国の料理を提供する「くりこども飯店」が、入善町の「下山(にざやま)芸術の森 発電所美術館」の隣にオープンして1カ月が経つ。
店主は神奈川出身の木工作家・飯田和幸さんと、富山出身でガラス細工や消しゴムの制作を手掛ける真紀さん夫妻。「くりこども」として作家活動を行う傍ら、昨年8月までの2年間にわたり滑川市のシェアカフェ「ぼんぼこさ」(現アガーリカレー)内で同店を営んだ。約8カ月の準備期間を経て、今年4月に発電所美術館に隣接するカフェ跡地での開店にこぎ着けた。
2009(平成21)年、飯田さん夫妻は約1年半かけて上海からエジプトまで旅をした。ベトナム、中国、カザフスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、シリア、トルコ、イスラエルなどを陸路で移動。各地の料理を食べ歩いた経験が店の運営に生かされているという。
シルクロードをイメージして作られた店内にはカウンター6席、小上がり10席を用意。小上がりでは、寄り合い茶屋を意味する「チャイハネ」になぞらえたスタイルで食事を楽しむことができる。カザフスタン、ウズベキスタンなど中央アジア諸国にとってのチャイハネは、地域の人々が談笑しながら食事や茶を楽しむ席としてなじみが深い。現地の雰囲気が感じられるよう木製のタイル張りにもこだわり、約半年かけて完成させた。
メニューは、ベトナム料理の麺「フォーガー」と生春巻きのランチセット(1,200円)、「カオマンガイ」のアジアプレート(1,450円)を用意。月替わりまたは週替わりの限定メニューには、旅で出合った料理を提供するほか、ビリヤニ、ラグマンのメニューも予定する。
デザートには、ジェラート専門店「アイリーハウス」(黒部市)の商品を使用。カルダモンケーキ、ホワイトチョコスコーンなども用意する。ドリンクメニューのチャイには「くろべ牧場まきばの風」の牛乳を使用。自家製ジンジャエール、パクチーラッシーなども提供する。
飯田さんは「今後は、木工作品、ガラス作品を販売するブースも設ける。イベントとして個展を開いたり、ライブもできたら面白いと思う。コロナが収まったら海外にも出掛け、現地で見つけてきたユニークな雑貨も販売していこうと考えている。美術館の来館客も気軽に寄ってほしい。ゆっくりマイペースでやっていくので、温かく見守ってもらえれれば」と話す。
営業時間は11時30分~17時。月曜・火曜定休。