民芸と仏教の深い関わりをテーマにした展示会「民藝に宿る南無阿弥陀仏 OTETRA THE EXHIBITION 3rd」が5月15日、黒部市の「白雪山善巧寺(はくせつざんぜんぎょうじ)」(宇奈月町、TEL 0765-65-0055)で始まる。
思想家・柳宗悦(やなぎむねよし)がけん引した「民藝(みんげい)運動」は、生活に寄り添う日用品にも美の本質が宿るという考えを提唱した。その文化運動は、富山という地や浄土真宗の教えが深く関わっており、仏教も人々の生活に切り離せないものとして捉えた。今回の企画では寺の空間の中で、仏具や仏画、民芸品や現代作家の作品を境目なく展示することで、鑑賞者に仏教と生活のつながりを体感してもらう。
「大福寺」(南砺市)からは所蔵する国内外の民芸品、「富山県西部観光社 水と匠(たくみ)」ストアからは人間国宝・芹沢銈介(けいすけ)の型染め絵、南砺を拠点に活動する陶芸家・金京徳(キム・キョントク)さんの作品、絹織物の製造・販売を行う老舗「松井機業」(南砺市)の絹マスクなど、「D&DEPARTMENT TOYAMA」(富山市)からは関連書籍などを展示する。
今回の展示に際して住職の雪山俊隆さんは「コロナウイルスの影響で、多くの人たちが望まずとも立ち止まって足元を見つめ直す機会が与えられた。立ち止まらないと気付けなかったこと、美は遠い存在ではなく身近にあったことを知るきっかけになれれば」と話す。
関連企画として、5月16日に大福寺住職・日本民藝協会常任理事の太田浩史さん、「水と匠」プロデューサーの林口砂里さんによる特別対談、22日に「うつくしきひかり」による「静かな演奏会 うつくしきひかり」が行われる。
展示時間は13時~17時。火曜定休(16日と22日は関連イベント参加者のみ)。今月30日まで。16日の対談は参加費3,000円(昼食付)、22日の演奏会は3,000円。予約はホームページで受け付ける。(※変更の可能性あり)