迫田公介さんの監督作「君がいる、いた、そんな時。」が、富山市中心部のミニシアター「ほとり座」(富山市総曲輪、TEL 076-422-0821)で11月28日から、上映されている。初日に迫田さんが舞台あいさつを行った。
同作は、フィリピン人と日本人のハーフの少年(マサマヨール忠さん)、独創的な番組を作る放送委員の少年(坂本いろはさん)、彼らに慕われる図書室司書の女性(小島藤子さん)との交流をつづる人間ドラマ。いじめられていたり、周囲から浮いてしまったりなど、それぞれに問題を抱えながらも不器用に生きる姿を描く。
迫田さん初の長編作品で、故郷の広島県呉市にてオールロケを敢行。主な舞台に広島県内では唯一残っている円形校舎(昭和30年代に多く作られた建築様式)の呉市立港町小学校が使われた。今年6月に東京で上映が始まってから、迫田さんは舞台あいさつで全国各地の劇場を巡っている。
ほとり座での舞台あいさつで、迫田さんは「世の中がしんどいと思っている人は、割といるのではないかと思う。今はコロナの影響もある。自分自身もうつ病にかかっているし、作品に登場する3人にも、どうしようもない悩みがある。ストーリーを通して悩みが解決されるわけではないが、それでも何とか生きていこうとなる希望、幸せになってほしいという願いを込めた」と話す。
「これまで何人もの方から『居場所の映画ですね』という言葉を頂いた。教室から少し離れた場所にある図書室は、ストレートに生きていけない子が集まることができる、避難場所のようなところ。歩いてたどり着く場所という感じに撮った」とも。
劇中に登場するスピーカーの写真をあしらったオリジナルTシャツ(3,500円)も販売している。
上映スケジュールは「ほとり座」ホームページで確認。鑑賞料は、一般=1,800円、シニア(60歳以上)=1,300円、学生=1,000円、小・中・高校生=500円。12月4日まで。