富山の独立系音楽レーベル「TOKEI RECORDS(トケイ・レコーズ)」が、動画配信企画「Back to the past」を行っている。
2013(平成25)年に設立された同レーベルは、北陸のアーティストを中心に、これまで25作品を販売している。所属アーティストのミュージックビデオや発売作品のトレイラー動画など、映像配信を積極的に取り入れており、2020年7月からは「HEYA LIVE」と題した室内でのライブ動画の配信も行っている。
同企画では、かつて北陸を拠点に活動していたものの、現在活動休止や解散をしているバンドの音源をユーチューブで紹介していく。これまでに配信したバンドは、1997(平成9)年~2001(平成13)年に活動していた富山のカオティックハードコアバンド「bite on guilt」、2008(平成20)年~2011(平成23)年に活動していた石川のインストゥルメンタルバンド「emi」の2組。
トケイ・レコーズ代表の山内晃一さんは「動画配信やストリーミングサービスが普及していない時代に活動していた地元のバンドは、ネットで調べても音源はおろか情報すら出てこない。デモテープや自主制作CDなど、質の高い作品がこのまま埋もれてしまうのがもったいないと感じ、今の時代のやり方で紹介したいと思った。小さなコミュニティーかもしれないが、誰かがそのシーンをアーカイブとして残す必要がある」と、企画を始めたきっかけを話す。
動画はトケイ・レコーズのユーチューブチャンネルから鑑賞ができる。今後も不定期ではあるが、配信を予定している。
山内さんは「今あるライブハウスやバンドは、知らないところで先人たちの活動の恩恵や影響を受けている。それを若い世代に伝えたい。既に活動していないバンドの音源のため、許可を取りにくい状況にあるが、ゆっくりと動画を充実させていきたい」と話す。