「桜ヶ池ファミリア 朗読イベント」が10月26日、南砺市クリエータープラザ「桜クリエ」多目的ホール(南砺市立野原東)で行われた。
「桜ヶ池ファミリア」は、2017(平成29)年に「P.A.WORKS」が制作したTVアニメ「サクラクエスト」を受けて始まったプロジェクト。第5話内で登場した「桜池ファミリアプロジェクト」に着想を得て、現実と物語をつなげることをコンセプトにしている。作中に登場する姉妹都市提携を結ぶ南砺市の桜ヶ池エリア全体をフィールドに、地域住民やクリエーター、事業者とともにロングテールで育む地域コンテンツを目指している。
プロジェクトの第一歩として、絵本「はじまりの木」を制作。原案はP.A.WORKSの堀川憲司社長、絵と文章は絵本作家のごみたこずえさんが手掛けた。冬に閉ざされたエレマ村に春が生まれた物語で、桜ヶ池周辺がモデルとなっている。2019年4月から絵本制作のためのクラウドファンディングを開始。140人の支援者から目標金額50万円を超える169万円が集まり、絵本制作が実現した。同書は10月18日には南砺市の全小学校と図書館に寄贈された。
イベントでは「花咲くいろは」の輪島巴役、「有頂天家族」シリーズの弁天役など、過去のP.A.WORKS作品にもたびたび出演した声優・能登麻美子さんが「はじまりの木」の朗読を行った。トークセッションでは、能登さんと原案を手掛けたP.A.WORKS社長の堀川憲司さん、絵本作家のごみたこずえさんが登壇し、絵本制作の裏話で会場を沸かせた。能登さんは「皆さんの空気感を感じながら、楽しく朗読ができた。皆さんとこの場を共有できたことを誇りに思う」と話した。
堀川さんは「桜ヶ池は日本っぽくない物語の世界のような景観で、私たちの創作意欲を刺激してくれる。この場所に本社があることで私たちに湧いてくる物語を絵本にしようと思った。大人も子どもも純粋に楽しめるように仕上げた。探究心や好奇心を抱いていただければ」と話した。
絵本「はじまりの木」はP.A.WORKSのショップサイトでも予約を受け付けている。価格は1,980円。