ジャズの名門レーベル、ブルーノート・レコードのドキュメンタリー映画「ブルーノート・レコード ジャズを超えて」の上映イベントが11月8日、オーバード・ホール(富山市牛島町)で行われる。
第2次世界大戦前夜、ドイツ系ユダヤ移民のアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフはナチス支配下のドイツからアメリカへと渡った。ジャズ好きの彼らは1939年、ニューヨークでブルーノート・レコードを設立。過酷な差別を受けていた黒人ミュージシャンに敬意を払い、自由に音楽制作を行えるよう環境を整えた。妥協することなく理想の音楽を求める2人の下で、アート・ブレイキー、マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、ハービー・ハンコックらの名プレーヤーたちの傑作が数多く生まれた。同作では、80年にわたり革新的なジャズを生み出すレーベルの足跡を、貴重なセッション、アーカイブ映像や関係者の証言を交えてたどる。
上映後、ジャズピアニストの山中千尋さん、レコードプロデューサーの行方(なめかた)均さんをゲストに招いたトークセッションを行う。
山中さんは米ボストンのバークリー音楽大学を首席で卒業後、2001(平成13)年に澤野工房から「Living Without Friday」をリリース。ニューヨークを中心に世界各地で活動を続け、2005(平成17)年1月にユニバーサル クラシックス&ジャズと契約。同年9月に「Outside by the Swing」でメジャーデビューを果たす。2011(平成23)年には、日本人初となる米メジャーレーベル、デッカ・レコードと契約し、全米デビューも果たす。日本を代表するピアニストとして精力的に活動する傍ら、母校で後進の指導にも当たっている。2019年の今年、ブルーノートの設立80周年と、フランスのジャズピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニの没後20周年を記念した「プリマ・デル・トラモント」をリリースした。
行方さんは1988(昭和63)年、ブルーノートの姉妹レーベル、サムシンエルスを東芝EMI内に設立。ブルーノートをはじめ数多くのジャズ作品を広め、日本のジャズ市場をけん引する存在として知られている。現在はプロデューサー、音楽評論家としても活躍。同作の字幕翻訳も務めている。
19時上映開始。料金は一般2,500円。同作はほとり座で11月16日から公開。