富山出身の漫画家、藤子不二雄(A)さんの展示「藤子不二雄(A)展 ‐(A)の変コレクション‐」が10月6日から、「高志の国文学館」(富山市舟橋南町)で開かれている。
1934(昭和9)年、氷見市で生まれた藤子さんは、中学時代から同級生の藤子・F・不二雄さんと合作で漫画を執筆し、1951(昭和26)年に「天使の玉ちゃん」でデビュー。60年代から藤子不二雄名義で「オバケのQ太郎」「ドラえもん」「忍者ハットリくん」といった、数々の国民的アニメをヒットさせる。Fさんとコンビを解消した後は、「魔太郎がくる!!」「笑ゥせぇるすまん」といった、世相を風刺したブラックユーモアあふれる作品も手掛けるようになる。さまざまな世代に向けたジャンルレスな作品を数多く生み出し、エッセイスト、プロデューサーとしても精力的に活躍している。
今回の展示では、藤子さんが作品に投影してきた奇妙な世界観を、貴重な原画や資料、藤子さんが収集した「変なコレクション」と共に紹介する。会場内は全て撮影可能。
エントランスゾーンでは藤子さんの等身大フィギュアが来館者を出迎える。「笑ゥせぇるすまん」内に登場する「Bar 魔の巣」コーナーでは、喪黒福造とマスターとの3ショット写真を撮ることができる。
トキワ荘ゾーンでは藤子不二雄さんたちが、故・赤塚不二夫、石ノ森章太郎らと青春時代を過ごしたアパート「トキワ荘」の四畳半を再現。当時、使っていた机や貴重な写真のほか、トキワ荘が解体される際に、藤子不二雄さんたちがサインを入れた壁の一部も展示する。
ポップゾーンでは「怪物くん」「忍者ハットリくん」「プロゴルファー猿」をモチーフにした、ユニークな写真スポットを設置。ブラックユーモアゾーンでは「黒ベエ」「魔太郎がくる!!」「ブラック商会変奇郎」などの短編を紹介するほか、笑ゥせぇるすまんゾーンではトリック満載のフォトスポットを用意する。
(A)の変コレクションゾーンでは、藤子さんが収集したインドの人形やお面、藤子さんが侍に扮(ふん)した写真のほか、造形作家の竹谷隆之さん、影絵アーティストの河野里美さんとのコラボ作品を展示する。物販コーナー「怪奇や」では限定グッズを数多く用意する。
開館時間は9時30分~18時。火曜(10月22日除く)、10月23日、11月25日休館。観覧料は、一般=500円、大学生=250円。12月22日まで。