富山市のロック・バー「WILD SIDE(ワイルドサイド)」(富山市太田口通り)で11月29日、フォークシンガーの三上寛さんがライブを行う。
「晩秋のクーデター」と題された今回の企画では、富山在住のミュージシャン、W.C.カラスさん、「大谷氏(おおたにし)」とのジョイント・ライブ形式。
1950(昭和25)年、青森生まれの三上さんは、1971(昭和46)年に「三上寛の世界」でアルバムデビュー。同年に開催された「中津川フォーク・ジャンボリー」での壮絶なステージで注目を集めた。
「夢は夜ひらく」「おど」などの衝撃作を次々と発表し、タブー視されている日本の風習を織り込んだ歌詞や、放送禁止用語を絶唱するスタイルで「怨(えん)歌」という唯一無二のジャンルを確立した。アングラ・フォーク界でカリスマ的な人気を誇る一方で、詩人や俳優としても活躍している。
きこりのブルースシンガーとして知られるW.C.カラスさんは、50歳を目前にした2013年にアルバム「W.C.カラス」でデビュー。サクソフォン奏者の梅津和時さんがゲスト参加した2枚目「うどん屋で泣いた」、同郷の女優・室井滋さんとの共作「信じるものなどありゃしない」を経て、最新作「耐えて眠れ」が12月21日にリリースされる。
異色のシンガーソングライターである大谷氏は、1980年代より富山と東京を中心に精力的にライブを展開。元たまの石川浩司さんとのユニット「ホルモン鉄道」としても活動する。アバンギャルドなパフォーマンスから「富山のアングラ大使」と称されており、今年6月には未発表音源集「歌の死角」をリリースした。
大谷氏とカラスさんの両氏は三上さんとかねて交流があり、三上さんが富山を訪れる際にはジョイント・ライブを行うのが恒例となっている。
ライブ会場である「WILD SIDE」のマスターの中川さんは、「今回のライブ企画は、三上さんの最新作『Pi』に伴ったリリースツアーの一環。地元ならではの大谷氏とW.C.カラスに加え、三上さんの登場で年末ジャンボのような豪華な組み合わせとなった。三者三様の魅力を放つ貴重なパフォーマンスを目撃してほしい」と話す。
20時開演。チケット料金は、前売り=3,000円、当日=3,500円。問い合わせは中川さん(TEL 090-9449-6749)まで。