富山在住のブルースシンガー、W.C.カラスさんが12月23日、同県出身の女優・室井滋さんとコラボレートしたミニアルバム「信じるものなどありゃしない」をリリースする。
きこりをなりわいとしながら、ブルースマンとして活躍する富山在住のカラスさん。同作品は、女優だけでなくエッセイスト、絵本作家と多岐にわたり活躍する室井さんとの共作として発売する。室井さんは以前より、絵本作家・長谷川義史さんとのユニット「しげちゃん一座」で歌手としての一面も披露している。室井さんは一座でサクソホンを担当する岡淳さんから「富山にすごいブルースマンがいる」と聞き、カラスさんの存在を知った。その後、自身のラジオ番組「室井滋の虫めがね」にカラスさんをゲストで呼んだことから、今回のコラボレーションへとつながった。
タイトル曲「信じるものなどありゃしない」は、カラスさんと室井さんがそれぞれ男と女の立場から愛を歌う2バージョンを収録。室井さん版は室井さんの浮遊感漂う歌声とコブシがさえる。ピアニカの音色が入り、哀切の中にほのぼのとしたユーモアをにじませる。室井さんが作詞、カラスさんが作曲した「夢を見るのを忘れたの」は、女のはかない夢がつづられ、室井さんの歌声が優しく染みる一曲となっている。
室井さんとのコラボは2曲で、残りの4曲はカラスさんのオリジナル。牧歌的なギター・サウンドが印象的な「ぬかるみから見る夢」は、「泥水の中で君に恋をした」とひょうひょうと歌うラブ・ソング。「ウェンナイヲーカップジスモーニン」は、パーカッションとドブロギターが激しく応酬するロックな一曲。「己を憐(あわ)れむ唄」は、悲喜こもごもの日常のやるせなさを歌う。「信じるものなどありゃしない」のカラスさん版では、ギターとベースのみのシンプルな編成で、カラスさんのつやのある歌声をフィーチャーする。
今回の共作に関し、カラスさんは「変に緊張することもなくいい仕事ができた。室井さんは女優だけに表現力は抜群に高い。勘のいい方で、テイクを重ねるほどに良くなっていった。室井さんとのデュエット曲はないが、無理にデュエットするより室井さんの独唱の方が魅力的だと判断した。押しも押されもせぬ名女優と録音できたことは貴重な財産」と話す。
アルバムの価格は1、800円。