プレスリリース

アルムとスギノマシン、共同開発パートナーシップに基づき完全自動の切削加工機「TTMC」の量産機を発売開始

リリース発行企業:アルム株式会社

情報提供:

自動化装置や製造AIソフトウエアの研究・開発を行うアルム株式会社(石川県金沢市)と、産業機械メーカーの株式会社スギノマシン(富山県滑川市)は、共同開発パートナーシップに基づき切削加工の工程を完全自動化した次世代型切削加工機「TTMC」量産機の発売を開始しました。TTMCは、アルムが独自開発したAIソフトウエアを積み、スギノマシン製の最新のマシニングセンタを採用した切削加工機で、全体の組み上げをスギノマシンが担います。CADデータを読み込ませるだけで、機械を動かすプログラムの作成、素材や工具のセットなどの工程を全て自動で行い、高精度な加工を可能にしました。両社は量産機の製造・販売を開始し、今年6月には初めてユーザーに納入予定です。製造業界の人手不足が慢性化する中、省人化などの業務改善につながることが期待できます。市場投入を本格化し、2030年6月期までに計250台を販売することを目標に、アメリカやインドへの展開も目指します。 







1.背景
 近年の製造現場では、少子高齢化により人手不足の慢性化、熟練作業員の減少、若者の製造業離れが深刻化し、切削加工に携わるエンジニアも不足する事態に陥っています。

アルムは、2006年の創業以来、自動化装置やソフトウエアを数多く開発し、国内外に届けてきました。2015年以降は、技術の力で製造現場を支援しようと、「製造AIと完全自動化」に力を注いでいます。製造現場の現状を打開しようと、切削加工の全工程を完全自動化した切削加工機「TTMC」の開発に着手し、10年がかりで製品化を実現しました。

スギノマシンは、1936年に創業し、創業の精神「自ら考え、自ら造り、自ら販売・サービスする」、ビジョンとして「グローカルニッチリーダー」を掲げ、独自技術を用いた工作機械の開発・製造・販売・サービスを行ってきました。自社開発した小型で高精度なマシニングセンタは40年近くにわたり国内外のお客様へ納品し、活用いただいています。お客様の声を聞き、商品開発に反映させることで、加工ノウハウを蓄積し、製造現場の自動化へ貢献してきました。

この度、TTMCの製品化にあたって、両者で開発・製造・販売・保守において協業します。TTMCの基本設計はアルムが行い、コアとなる切削ユニットにはスギノマシンが開発した同時5軸マシニングセンタ「セルフセンタSC-V30a」を採用し切削加工機としての信頼性を向上させました。アルムとスギノマシンはパートナーシップに基づいて、スギノマシンの国内外の販売ネットワークをTTMCの保守サービスや販路拡大に活かしていきます。

2.商品概要

TTMC


セルフセンタSC-V30a

1)TTMCについて
TTMCは、アルムの独自技術を用い、金属・樹脂部品の切削加工工程の全12工程を完全自動化した切削加工機です。中心となる切削加工機は、スギノマシンの同時5軸マシニングセンタ「セルフセンタSC-V30a」をTTMC用にカスタマイズしたものを採用しています。
TTMCの頭脳部分には、アルムが独自に開発したAIソフトウエア「TTMCブレイン」を搭載しており、CADデータを読み込ませるだけで、加工に必要なプログラムを自動で作成します。素材や工具のセット、心出し、除去領域の測定、仕上げ加工指令を全て自動で行うことが可能です。また、素材や工具の摩耗状態を記録し、メーカーに自動発注する機能も備えています。
「TTMCブレイン」のAI解析により、完全自動化を実現しました。切削加工未経験のユーザーでも、複雑かつ高精度な加工が可能です。

2)「TTMCブレイン」について
TTMC全体の制御とAI解析
TTMCブレインはTTMCの頭脳部分であり、TTMC全体の制御だけでなく、工程設計、NCプログラミングなど、多品種少量生産の現場ではルールベースやテンプレートでは対応できない解析を実現したAIソフトウエアです。

工具、材料の状態管理と工程の補正を実現
リアルな工具、材料の情報を取得して状態管理の自動化を実現しただけでなく、工程ごとに補正を自動入力することを実現しました。

アルムクラウドの利用でユーザーに最適環境を提供
TTMCブレインはユーザーの要望により、アルムクラウドにアクセスでき、ソフトウエアを最新の状態にアップデートできたり、機械のリモートメンテンナンスを行なったり、ユーザーにとって最適な環境を提供します。

部品発注から物流に至るまでの完全自動化を目指す
アルムクラウドに接続することで、将来的に調達ネットワークにも参画でき、部品発注、加工企業への振り分け、NCプログラムの生成、加工実行、物流システムに至るまで完全自動で行うことを目指します。

3)「セルフセンタSC-V30a」について
豊富な納入実績
マシニングセンタとは、コンピューター制御によって工具を自動で交換できる機能を備え、さまざまな加工を連続で行える機械です。
スギノマシンのマシニングセンタは、BT30クラスの小型機として業界をリードする存在であり、自動車OEM*1やTier1メーカー*2への豊富な納入実績を誇ります。

長時間の連続運転に最適化された設計
センタトラフ構造や大流量ベッド洗浄などによる切りくず排出対策を徹底することで、切りくずトラブルによる停止を最小限に抑え、長時間の連続運転に対応します。

同時5軸加工に対応し、複雑形状ワークの高効率で高精度な加工を実現
5軸制御は、X軸(横)・Y軸(縦)・Z軸(高さ)に加え、回転軸と傾斜軸を備え、3軸制御に比べ、より複雑な形状に対応でき、高精度な切削加工を実現します。そのため高付加価値部品の加工に最適です。
構造面では、大型トラニオン式の傾斜円テーブルを採用し、テーブルにはφ350の面板を装備。これにより大物ワークも安定して固定できます。円テーブルには剛性に優れたウォームギア方式*3を採用し、テーブルの回転精度を精密に制御することで、高精度加工を実現します。
また、送り軸にはリニアスケール*4を搭載し、実際の位置を検出して制御装置へフィードバックさせることで、精密な位置制御が可能です。ほかにも、主軸を冷却することで、熱変位を抑制し、加工精度を安定させます。

設置面積あたりの生産性を最大化
本機は幅1,440mmのコンパクト設計でありながら、X700×Y500×Z400mmの広い加工エリアを確保しています。省スペースで大きなワークを加工でき、設置面積あたりの生産性を向上させます。
また、主軸中心から摺動面までの距離を短縮することで、加工反力の影響を最小限に抑えています。徹底したCAEの活用による構造解析とシミュレーションにより剛性を保ちながら移動体を軽量化することで、高速で短サイクルでの加工を実現しています。

3)「セルフセンタSC-V30a」について
豊富な納入実績
マシニングセンタとは、コンピューター制御によって工具を自動で交換できる機能を備え、さまざまな加工を連続で行える機械です。
スギノマシンのマシニングセンタは、BT30クラスの小型機として業界をリードする存在であり、自動車OEM*1やTier1メーカー*2への豊富な納入実績を誇ります。

長時間の連続運転に最適化された設計
センタトラフ構造や大流量ベッド洗浄などによる切りくず排出対策を徹底することで、切りくずトラブルによる停止を最小限に抑え、長時間の連続運転に対応します。

同時5軸加工に対応し、複雑形状ワークの高効率で高精度な加工を実現
5軸制御は、X軸(横)・Y軸(縦)・Z軸(高さ)に加え、回転軸と傾斜軸を備え、3軸制御に比べ、より複雑な形状に対応でき、高精度な切削加工を実現します。そのため高付加価値部品の加工に最適です。
構造面では、大型トラニオン式の傾斜円テーブルを採用し、テーブルにはφ350の面板を装備。これにより大物ワークも安定して固定できます。円テーブルには剛性に優れたウォームギア方式*3を採用し、テーブルの回転精度を精密に制御することで、高精度加工を実現します。
また、送り軸にはリニアスケール*4を搭載し、実際の位置を検出して制御装置へフィードバックさせることで、精密な位置制御が可能です。ほかにも、主軸を冷却することで、熱変位を抑制し、加工精度を安定させます。

設置面積あたりの生産性を最大化
本機は幅1,440mmのコンパクト設計でありながら、X700×Y500×Z400mmの広い加工エリアを確保しています。省スペースで大きなワークを加工でき、設置面積あたりの生産性を向上させます。
また、主軸中心から摺動面までの距離を短縮することで、加工反力の影響を最小限に抑えています。徹底したCAEの活用による構造解析とシミュレーションにより剛性を保ちながら移動体を軽量化することで、高速で短サイクルでの加工を実現しています。

4)量産機の市場投入について
TTMCは、半導体や機械メーカーなど4社が試験機を導入しています。
今回、量産機7台を2025年6月にユーザーに初めて納入し、市場投入を本格化させます。

3.今後の展望
 アルムとスギノマシンは、開発・製造・販売・保守においてパートナーシップを結び、世界中でTTMCの有用性を実証し、製造現場に大きな変革をもたらしたいと考えています。
 次年度(2026年6月)には18台を出荷予定で、スギノマシンが製造する予定です。
今後はアメリカ、インドへの海外展開も予定しており、スギノマシンの販売ネットワークも活かしながら、3年後(2028年6月)までに国内外で90台の販売を目指します。

4.アルム株式会社 概要
会社名:アルム株式会社
代表者:代表取締役 平山 京幸
本社所在地:〒920-8204 石川県金沢市戸水一丁目61番地
TEL:(076)225-7743
創業:2006年8月17日
事業:製造工程の自動化・省力化に関する機械装置、専用機械の設計、製造、販売及び輸出入、金型及び金型部品の設計、製造、販売及び輸出入、産業用自動化装置周辺部品の設計、製造、販売及び輸出入、産業用機械器具の設置工事業、ソフトウエアの研究、開発、販売及び保守管理
URL:https://arumcode.com

5.株式会社スギノマシン 概要
会社名:株式会社スギノマシン
代表者:代表取締役社長 杉野 良暁
代表取締役副社長 杉野 岳
本社所在地:〒936-8577富山県滑川市栗山2880番地
TEL:(076)477-2555(代)
創業:1936年3月1日
事業:高圧ジェット洗浄装置、超高圧水切断装置、原子力発電保守用機器並びに廃炉機器、湿式・乾式微粒化装置、ドリリングユニット、タッピングユニット、マシニングセンタ、拡管工具・装置、抜管装置、鏡面仕上工具、バイオマスナノファイバー、産業用ロボット等の開発、設計、製造、販売
URL:https://www.sugino.com/
■用語・補足
*1 自動車OEM
  自動車業界におけるOEM(Original Equipment Manufacturer)は、
自社ブランドで完成車を製造・販売する自動車メーカーのこと。
*2 Tier1メーカー
  自動車OEMと直接取引を行う自動車部品メーカーのこと。
*3 ウォームギア方式
  ウォームギアは、ネジ形状の歯車と、それにかみ合う円盤状の歯車で構成される減速機構。
高い減速比により、微細な動きの制御が可能。
*4リニアスケール
  直線的な位置を高精度で検出するためのセンサー。実際の位置をリアルタイムで検出できる。

本件に関するお問い合わせ先
■アルム、TTMC全般について
アルム株式会社  TEL:(076)225-7743  E-mail :info@arumcode.com
■スギノマシン、セルフセンタSC-V30aについて
株式会社スギノマシン 精密機器事業本部 応用開発部 光江豊彰 TEL:(076)475-5112

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