ゼオンノース株式会社(本社:富山県高岡市、代表取締役社長:松崎肇、以下 ゼオンノース)は、この度ゼオンノースの新たな溶接技術を活かしたアルミニウム製の緊急仮設橋※1(以下、アルミ製緊急仮設橋)の試作品を発表しました。
アルミの軽量さを活かした緊急仮設橋は、被災地に中型トラック(4トン車)で輸送し、4トン車輛積載型トラッククレーンと人力だけで短時間での架設が可能です。今後このアルミ製緊急仮設橋が、大型重機が入れない災害現場での交通網寸断を早期に解決し、いち早く人命救助に寄与することが期待されます。
日本ゼオン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:豊嶋哲也)のグループ企業であるゼオンノースは、1972年に富山県高岡市で創業して以降、現在では全国で幅広い事業展開を行っています。特に近年では、ゼオンノースが三者共同で開発したレーザアークハイブリッド溶接技術※2によって、熱伝導性の高いアルミでは難しかった厚板の溶接が可能になり、その技術を活かした大型アルミ構造物の設計・製作・施工事業に注力してきました。特許も取得したレーザアークハイブリッド溶接技術のポイントは“厚板の長尺連続溶接”であり、この高い技術力を活かすことで、今回発表したアルミ製緊急仮設橋も軽量かつ強靭で、安全性の高い構造を実現しています。
ゼオンノース株式会社 代表取締役社長 松崎肇 コメント
令和6年能登半島地震では、崖崩れや橋の崩落により、被災地に取り残される住民の方々がおられました。能登半島の地形から、道幅が狭く大型重機が入れない・迂回路が無い等の状況により救出や支援に多くの時間がかかりましたが、日本全国に同じようなリスクを抱えた市町村が多数存在していると報道されています。
この地震をきっかけに、ゼオンノースでは自分たちの技術で災害支援に貢献する必要性を強く感じ、「アルミの街・高岡で製作したアルミ製仮設橋を全国に発信し、ひとりでも多く取り残された人を救う」をテーマに、この緊急仮設橋の開発に取り組みました。
救急車の通行にも耐える強靭なアルミ製緊急仮設橋
今後もゼオングループは、独創的な技術・製品・サービスの提供を通じて、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献してまいります。
※1: 緊急仮設橋
発災後、3日以内に緊急車両(救急車や消防車等)が運行するために必要とされる仮の橋。
※2: レーザアークハイブリッド溶接技術
レーザアークハイブリッド溶接機を用い、ゼオンノース株式会社が株式会社三和製作所様および一般社団法人とやま接合
技術推進協会様と共に三者共同で開発したアルミニウムの溶接技術。
従来の溶接技術では成し得なかったアルミニウム厚板の連続溶接を実現し、変形と強度低下を抑えることにより押出材では
限界のあった大型構造物の製作を可能にしている。
アルミ製緊急仮設橋の仕様
サイズ: 全長25m 全幅2.4m
重量 : 約6,200 kg
特長 : 1.橋は5分割にて中型トラック(4トン車)で輸送可能
2.4トン車輛積載型トラッククレーンと人力だけで、被災地への架設が可能
3.5トンまでの車両が通行可能な設計 (救急車が通行可能) 等
※アルミ製緊急仮設橋は試作段階であり、仕様は変更される可能性があります。
ゼオンノース株式会社 概要
本社所在地 :〒933-0076 富山県高岡市米島1061-2
代表者 :代表取締役社長 松崎 肇
設立 :1972年
主な事業内容 :保全業務、エンジニアリング事業、産業機械事業、環境分析事業、
建築資材・商事事業、石油販売事業
ウェブサイト :https://www.zeonnorth.co.jp