滑川市の旧宿場町にある古書店「古本 いるふ」（滑川市瀬羽町、TEL 076-456-7620）で7月21日から、詩人オカサトシさんの展示会「可能性しかない！」が開催される。

会場の古本いるふ

　1987（昭和62）年生まれ、黒部市在住のオカさんは、出版レーベル「カワイルカ出帆」を立ち上げ、一人で著述、挿絵、写真を担当。独学で印刷や製本も手掛けてきた。これまで詩集「そらける」、セルフィー写真集「おかし」など5冊の作品を刊行。さまざまなアプローチで独創的な世界を展開している。今年3月には新潟の書店「BOOKS f3（ブックスエフサン）」でフェアが組まれ、朗読も披露した。富山での展示は今回が初となる。

　今年5月にオープンした「古本 いるふ」は古い物件を自らリノベーションし、ギャラリースペースを併設する。店主の天野陽史さんは「実店舗を開く前、古本市などに出店していた頃からオカさんの著書を取り扱っていた。オカさんの作品はすべて手作りで、最近では写真や映像にも取り組み表現の可能性を広げている。店で開く初の展示会は、オカさんにお願いしたいと思った」と話す。22・29日にはオカさんが在廊し製本作業を行うほか、オカさんのテキストやイラストを使った冊子作りのワークショップも予定している。

　オカさんのファンだという富山市在住の30代女性は「写真集『おかし』を初めて手にした時は、一枚の写真に複数のオカさんが写っており、どんな風に撮影しているのか興味をそそられた。世の中に対して後ろ向きながらも、関わろうとするオカさんのスタンスが、ある種のおかしみとなって作品に投影されている。ご本人に制作過程や、作品の意図を聞いてみたい」と話す。

　22日の17時からオープニングパーティーを予定している。

　開催時間は12時～19時。月曜・火曜定休。今月29日まで。