魚津市の商店街「魚津中央通り名店街」(魚津市中央通り)で3月25日、マルシェイベント「魚津防火建築帯FES」が開催される。
1956(昭和31)年に発生した「魚津大火」は魚津市街地の約半分まで延焼し、同商店街は全店舗を焼失した。その後の復興事業により、延焼を防ぐコンクリート造りの長屋「魚津防火建築帯」が新しい同商店街の建物となった。「魚津防火建築帯」の完成当時、同商店街は新川地区の中心的繁華街で、生鮮食品店など地域に根づいて営業を続けている店舗もあるが、近年は老朽化と空き店舗が目立つようになってきた。
築60年を超えた現在もほぼ当時の姿をそのまま残している同商店街は、近代建築において貴重な文化遺産だと建築業界から注目を集めている。戦後に全国80以上の都市で建設された防火建築帯のなかでも、同防火建築帯は有数の規模だという。
かつてのにぎわいの再現を試みる同イベントでは、商店街に所属しない魚津近隣エリアの人気ショップがアーケードに出店する。会場内に配置されるテーブルは、富山大学の学生、市内の塗装業者、新川森林組合が魚津の木材を使って共同制作した物を使い、「宮本みそ店」、パンと焼き菓子の店「てくてく」、居酒屋「浜多屋」、カフェ「COMMA,COFFEE STAND」など約20店が並ぶ。
主催者の原誠さんは「商店街と出店するお店を同じ空間で体感していただき、今までとは少し違った目線から、魚津にあるものの価値や魅力を知ってほしい。中央通りと防火建築帯に興味を持ってもらい、ここに住んでみたい、お店をやってみたいと考えるきっかけになれば」と話す。
空き店舗を活用し、自由に描ける特設フリーペイント黒板の設置やシルクスクリーンのワークショップ、スケートボードデッキのリサイクルワークショップ、スケートボード体験スクールとプロライダーによるデモンストレーションなど、老若男女が楽しめるワークショップも展開する。
原さんは「アートやサブカルチャーの楽しさを通じて人と人の交流が生まれ、街全体の活性化につながるとうれしい」と笑顔を見せる。
開催時間は11時~19時。